日本でのIPv4アドレス在庫枯渇は3~6カ月後、当面は現行ポリシーで配布継続
JPNICでは、IPv4アドレスの在庫枯渇に関する情報を提供するページを開設しており、FAQなども掲載している |
IPv4アドレスブロックの中央在庫が枯渇したことを受け、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は4日、日本における今後のアドレス分配について発表した。日本での在庫枯渇時期は3~6カ月後と予測されているとし、それまでは現行ポリシーに基づき、従来と同様の基準で割り振りを継続していくとしている。
中央在庫とは、IPアドレスなどのインターネット資源をグローバルで管理するIANA(Internet Assigned Numbers Authority)が保有していた、未割り振りのアドレスブロックのこと。最後に残っていた5つのアドレスブロックが3日、世界5地域の地域インターネットレジストリ(RIR)にそれぞれ1つずつ割り振られた。1ブロックは、約1678万個のアドレスを含む「/8」という単位で、IPv4アドレス空間全体の256分の1に相当する。
各RIRにはすでに割り振られていたアドレスブロックも含めてまだ在庫があり、さらにその下の国別インターネットレジストリ(NIR)を通じて、今後も各国のISPなど指定事業者にIPv4アドレスブロックが割り振られていく。中央在庫が枯渇したといっても、直ちにエンドユーザーに新規に割り振られるIPv4アドレスがなくなるわけではないが、いずれRIRの在庫も枯渇することになる。
各RIRにおける在庫枯渇時期はそれぞれ異なるが、日本を含むアジア太平洋地域を担当するAPNICでは今のところ、3~6カ月後にAPNICの在庫が枯渇すると予測しているという。
日本のNIRであるJPNICでは現在、独自のアドレスブロック在庫を保有せず、APNICの在庫から国内事業者に割り振りを行っているとし、APNICの在庫枯渇がすなわちJPNICの在庫枯渇になると説明している。
なお、APNICでは、/8ブロックが残り1ブロックとなった時点で分配ポリシーが変わり、既存・新規の指定事業者につき、「/22」アドレスブロック(IPアドレス1024個)が1ブロックだけの限定割り振りとなる。ただし、こらは事業者が顧客に分配するためのアドレスではなく、NATやトランスレーターなどの機器がIPv4インターネットへの接続を維持しながらIPv6に移行できるようにするための使用を想定しているもの。所定の要件を満たすことで、1事業者につき1回だけ割り振りが行われるものだとしている。JPNICでは、具体的な手続きなどについて追って案内する。