Fusion Middlewareを軸に~オラクル、業務アプリアップグレードのすすめ


アプリケーション事業統括本部 アプリケーションビジネス推進本部長の末兼達彦氏

 日本オラクル株式会社(オラクル)は31日、業務アプリケーション製品「Oracle Applications」のアップグレード支援を強化すると発表した。同社ミドルウェア製品を活用したアップグレード支援プログラムの提供や、パートナーによるアップグレード支援サービスの拡充を図る。

 同社の業務アプリケーション製品の最新版「Oracle E-Business Suite(EBS) R12.1」「JD Edwards EnterpriseOne 9.0」「PeopleSoft Enterprise 9.1」「Siebel CRM 8.2」へアップグレードを検討する顧客への支援を強化する。

 具体的には、アップグレード支援プログラムとして「Fusion Middleware for Apps」を展開する。同プログラムは、各業務アプリケーションのアップグレードに際して、ミドルウェア製品として「Oracle Fusion Middleware」の活用を促進するもの。

Fusion Middleware for Appsの概要プログラム内容。効果的なアップグレードのための無償ツールを提供
Fusion Middlewareをアプリケーション基盤とすることで、効果的なアップグレードが実現する

 オラクルでは、提供するアプリケーションの網羅性を高める「Complete Solutions」と、それらを顧客がどんなタイミングでも利用開始できる「Complete Choice」というアプリケーション戦略を掲げている。これを実現するために買収やライフタイム・サポート、全製品の新版開発コミットメント、他システムとの共存、といった取り組みを進めているのだが、その中核となり、アプリケーションの最適化を図るのがOracle Fusion Middlewareとなる。

 アプリケーションをアップグレードする際に、この「Fusion Middleware」を基盤とすることで、「SOA、BPM、アイデンティティ管理、ユーザーエクスペリエンスなど最適化された共通機能を利用できるようになる。また、新たなアドオンを開発する際にも、例えばEBSの開発ツールを使うのではなく、Fusion Middlewareの開発ツールを使うことで、各アプリケーション間で連携し再利用可能なアドオンが作成できる」と、アプリケーション事業統括本部 アプリケーションビジネス推進本部長の末兼達彦氏は語る。

 将来的にオラクルが実現を目指すのが、顧客企業における「ERPの全社的な統合」(末兼氏)だ。しかし、顧客企業によってその状況はまちまち。全社的なERPは理想だが、いきなりそこへ踏み出せない企業もいるだろう。そういった企業に「まずはアプリケーションを最新版にアップグレードしましょう」(同氏)というメッセージとともに提供するのが、今回の「Fusion Middleware for Apps」というプログラムとなる。

 同プログラムを希望する顧客には、現行システムの環境・利用・運用状況や今後の要求事項などの情報を収集し、Oracle Fusion Middlewareを活用してアップグレードした場合の最適な導入方法、導入期間、コストを提示。アップグレードに必要なツールを無償提供し、ひな形やデモンストレーションを通じたアップグレードを行うことで、円滑な作業を実現するという。

パートナーによるアップグレード支援サービスを18社24種類に拡充

 併せて、Oracle Applicationsのパートナー各社によるアップグレード支援サービスを18社24種類に拡充。例として、NSSolや富士通による無償アセスメントサービスを紹介している。

 さらに、2月1日品川で開催する「Oracle Applications Summit 2011」では、アップグレード相談コーナーも開設し、「アップグレードのメリットを知りたい、最新バージョンの新機能が知りたい、どのようにアップグレードしたらいいか知りたい」といった声に応える予定。

NSSolによる無償アセスメントサービスの概要富士通による無償アセスメントサービスの概要
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