JCB、日立製シンクライアントで業務オフショア化を推進


 株式会社日立製作所(日立)は14日、株式会社ジェーシービー(JCB)が業務オフショア化のため同社のシンクライアントシステムを導入し、稼働を開始したと発表した。

 コストの削減が急務というクレジットカード業界において、JCBは2008年度から中国・大連への業務オフショア化を進めてきた。今回、JCBカードの入会希望者から届く申込書のデータ作成やシステム登録などを担当する、スタッフ100名規模のクレジットカード発行業務も大連へ移管したのに伴い、セキュリティ強化の目的でシンクライアントシステムを導入した。

 具体的には、国内のデータセンターに設置された日立製ブレードPC「FLORA bd500」を、大連の業務スタッフがシンクライアント端末から利用する。システムの運用にあたっては、スタッフの入れ替わりや増員に柔軟に対応するため、各スタッフ専用のブレードPCを保持する方式ではなく、管理サーバーでPCのリソースを共有・一元管理し、空きブレードPCを効率的に割り当てる「動的割当」方式を採用した。

システム概要

 ブレードPCは国内のデータセンターで一括して集中管理するため、情報漏えいを防ぎつつ、個別サポートなどによる管理コストを削減。42Uラックに最大320台のブレードPCを搭載できる、高集積なFLORA bd500を採用することで、データセンターの省スペース化も実現している。

 また、デスクトップ仮想化ソフトにはCitrix製品を採用し、日立のシンクライアント構築ノウハウにより、「従来、国内かつ非シンクライアント環境でしか実現できなかった、数秒単位のレスポンス要件を満たした」(日立)としている。

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