「当社のハードウェアの良さをもっともっと知ってもらいたい」~日本IBMがシステム製品事業を説明


専務執行役員 システム製品事業 薮下真平氏
今年提供された新製品群

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は1日、サーバーやストレージなどを担当するシステム製品事業の説明会を開催。専務執行役員 システム製品事業 薮下真平氏が、1年を振り返っての状況や2011年を見据えた方針などを説明した。

 薮下氏が指摘するのはまず、「コンピュータメーカーとしてのDNAは失っていない」という点だ。ソフトも含めてだが、2000~2009年までで5兆6000億円を研究開発に投資しており、「トップクラスの研究開発投資をしており、その結果、お客さまにいい製品を提供できているのではないか」とする。

 そうした、多くの研究投資によって開発されたハードウェアの新製品として、日本IBMでは、POWER7ベースの新しいPower Systemを発売したほか、メインフレーム領域では、x86やPOWERのリソースを含めて統合できる「zEnterprise」を、x86領域では従来の3倍のメモリ搭載が可能になった「System x eX5」を製品化するなど、多くの新ハードウェアを投入している。特に好調というストレージについても、ハイエンド製品の機能をミッドレンジ製品に盛り込んだ、意欲的な「Storwize V7000」を発表したばかりで、継続的な強化を行っている。

 そして、そうした新製品に支えられた結果、2010年のハードウェア部門は好調に推移したのだという。「2010年第2四半期(4~6月)には、日本市場シェアで1位を奪還したほか、速報レベルではあるが、第3四半期(7~9月)もシェアを拡大できている」と、今年の実績を振り返り、その好調ぶりをアピールする。

 これらの新製品はもちろん、性能面での向上も果たしているが、薮下氏が強調するのは、“運用管理の最適化”という点だ。薮下氏は、「性能が向上したというのはお客さまからもわかりやすいことだが、当社の新製品の一番大きなメリットは、運用管理費用の低減だと思っている。右肩上がりで増える運用管理や電力・空調のコストを削減し、その分を戦略的な投資にまわしていただけるテクノロジーを発表してきた」と述べ、今年の新製品を総括した。

 しかしながら、国内ではまだ、「『z/Linuxは特別なLinuxである』『メインフレームはいつかなくなるものだ』、といった誤解をされている部分があって、よりアピールしていくことが必要」(薮下氏)な段階とのこと。また、「新製品は、テストパフォーマンスなどの面において、他社とのしのぎを削っている厳しい環境の中で提供されるもので、導入すれば効果を得やすいものだが、日本は、欧米や新興国などの市場に比べて、新しいテクノロジーの活用に消極的」なのだそうで、「積極的に活用して、そのメリットを享受していただきたい」との立場から、新製品、新テクノロジーに関する理解を深めてもらう活動も積極的に行っていくとした。

 そのためには、最適なIT環境を顧客とともに構築するコンサルティングを強化するほか、日本IBMを知ってもらうためのマーケティング施策の強化、テクノロジーをわかりやすく伝えるための技術部門の設立などを行っていく方針。こうした活動を通じて、システム事業全体の技術力、提案力、顧客の課題を把握する洞察力などを強化するとしている。

同社とその製品に関してはまだまだ多くの誤解があるという2011年の事業方針
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