マイクロソフト、パブリッククラウド型のCRMサービス「Dynamics CRM Online 日本語版」

新版をクラウドで先行提供、“クラウドに本気”を示す


Dynamics CRM Online
Dynamics CRM Online 日本語版の画面イメージ(画面はベータ版)

 マイクロソフト株式会社は25日、パブリッククラウド型のCRMサービス「Dynamics CRM Online 日本語版」を発表した。CRMアプリケーション「Dynamics CRM 2011 日本語版」を、オンプレミス型に先駆けて提供するもので、2011年1月のサービス開始を予定する。なお、Dynamics CRM Onlineはすでに北米では提供されているが、世界40地域、41言語への提供となり、日本語版もそのうちの1つとなる。

 Dynamics CRMは、マイクロソフトが開発しているCRMアプリケーション。広く利用されているMicrosoft Officeをフロントエンドツールとして使えるなど、ユーザビリティ面でメリットを提供している。代表執行役社長の樋口泰行氏は、「当社が開発した製品であるので、特にMicrosoft Office製品との連携に優れ、操作がそのままCRMへ連動する。生産性向上が大きく図れる」と、この点を強調。テクニカルソリューションエバンジェリストの西脇資哲氏も、「他社のソリューションをお使いの方でも、ExcelやOutlookのユーザーは多い。Officeアプリケーションと、クラウド上のCRMアプリケーションがシームレスに連携する点は強みだし、当社のほかのクラウドサービスとも連携できる」と、メリットをアピールした。

 さらに、オンプレミス、パートナーホスティング、パブリッククラウドの3形態が用意されており、ユーザーの必要にあわせて最適な形態を選択できる点も大きな特徴という。しかも、すべての形態でまったく同じ機能が利用でき、導入後も形態を自由に変更可能なため、「パブリッククラウドで利用を始め、規模の拡大に伴ってオンプレミスに移行する」といった柔軟な使い方に対応できる。

 国内ではこれまで、3形態のうちパブリッククラウドでの提供となるDynamics CRM Onlineが提供されていなかったが、今回の発表により3形態がそろい、その強みをより発揮できるようになった。特にDynamics CRM 2011では、パブリッククラウド版が最初に提供されるが、樋口社長はこの点について「これは当社で初の試み。いかにクラウドに対して真剣に取り組んでいるかをおわかりいただけるだろう」とコメントした。

 Webでの直接購入時の参考価格は、1ユーザーあたり月額4660円だが、2011年末までは、1ユーザーあたり月額3601円のキャンペーン価格が設定される。基本契約期間は1年で、2年目以降は年次更新。


マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏Mircosoft Office製品とのシームレスな連携が強み

 また、Dynamics CRM Onlineの発表に伴い、国内のパートナー58社が対応ソリューションの提供を表明。マイクロソフトとの連携により、順次提供を開始するとのこと。この日のカンファレンスでは、その1例として帝国データバンクとの協業が発表されている。

 この協業に伴い帝国データバンクでは、自社が持つ企業情報データベースをDynamics CRM Onlineのユーザー向けに提供するサービスを、2011年2月に開始する。帝国データバンクの鈴木良平常務取締役は、「Dynamics CRM Onlineに企業情報を入力すると、企業情報サービスと連携して企業を特定し、その企業のデータを提供する。当社の調査報告は毎日変わってくるので、その情報をリアルタイムにお届け可能。取引の可否判断や与信限度額の検討などにご利用いただける」と、このサービスを説明した。


サービスの概要帝国データバンクの鈴木良平常務取締役
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