米IBMがDWHアプライアンス大手の米Netezzaを買収へ、買収金額は約17億ドル


IBMのハードウェアをベースに開発された「TwinFin」
米Netezzaのジム・バームCEO(7月の来日時より)

 米IBMは20日(米国時間)、DWH(データウェアハウス)アプライアンスの専業ベンダー、米Netezzaの買収で合意に達したと発表した。買収金額は約17億ドル(1株あたり27億)で、すべて現金で支払われる。なお買収は、Netezzaの株主の承認を得た上で、2010年第4四半期に完了する見込み。

 Netezzaは、米国マサチューセッツ州に本拠を置く、DWHアプライアンスの専業ベンダー。汎用のデータベースを利用する他社と異なり、最初からDWHの処理高速化のために設計された製品を提供している点が特徴で、FPGAを有効に使うユニークな手法を採用している。

 主な導入先は、ニューヨーク証券取引所などを運用するNYSE Euronext、米国最大の私立医療機関Marshfield Clinic、デジタルメディアのCNET Networksなど。現在の主力製品「Netezza TwinFin」、前世代の「Netezza Performance Server」とあわせて、350以上の企業において採用された。国内でも、ローソン、NTTドコモ、キリン、モスバーガーなどが採用を発表されている。

 一方、IBMでもデータ分析分野に注力しており、4年間で120億ドル以上を、23件の買収などに費やしてきた。同社によれば、2010年第2四半期の同分野の事業は、14%の成長を遂げているという。また、Netezzaとは長年の提携関係にあり、Netezza TwinFinアプライアンスでは、ベースハードウェアにIBM製のブレードサーバーが利用されている。

 この買収合意について、Netezzaのジム・バームCEOは、「アプライアンスベースの当社の手法は、IBMのSmarter Planet戦略と非常に合致する。当社のお客さまは、大きなデータに対して迅速かつ柔軟な分析が行える点を考慮して、当社のアプライアンスを選択された。IBMとともに、こうした当社の能力をより幅広い市場に提供できることを楽しみに思っている」とコメント。

 IBMのSoftware&Systems担当シニアバイスプレジデント兼グループエグゼクティブのスティーブ・ミルズ氏は、「Netezzaは、当社のビジネスアナリティクスの機能とクライアントベースを補完してくれる」と述べている。

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