富士通とCA、相互製品のOEM契約-次世代運用管理の実現目指す
【左】富士通 ミドルウェア事業本部長の新田将人氏、【右】CA 代表取締役社長のバスター・ブラウン氏 |
協業の狙い |
富士通株式会社と米CA Technologies(CA)は16日、運用管理ソフト分野の戦略的協業を発表した。両社には1996年より約15年におよぶ協業実績がある。今回の協業は、2009年より新たな協業内容を検討した結果となる。
富士通 ミドルウェア事業本部長の新田将人氏は協業の狙いとして「富士通グローバルサービス基盤強化」「両社運用管理分野の強化」「クラウドに向けた新たな取り組み」の3点を挙げる。
協業の第1ステップとして、両者間で相互製品のOEM契約を締結した。アプリケーション性能管理ソフト「CA Application Performance Management(CA APM)」を富士通が国内で販売し、業務プロセス監視・分析ソフト「Interstage Business Process Manager Analytics(Interstage BPMA)」を、CAが「CA Business Process Performance Analytics(CA BPPA)」の名称でグローバルに展開する。
CA BPPA(Interstage BPMA)は、業務プロセスの流れを可視化し監視する製品。この製品とCA APMやSystemwalkerを連携させることで、業務プロセスの視点からボトルネックの原因となっているアプリケーションの処理性能、およびインフラリソースの状況まで、全体の俯瞰(ふかん)から強力なドリルダウンが可能となる。
新田氏によれば「ICT/アプリケーション、業務プロセスをそれぞれ可視化する製品はあるが、両者を包括的に監視できる製品はなかなかなかった」という。今回の協業で「新たな運用管理領域を両者で構築する」(同氏)考え。さらにグローバル市場において、アプリケーション性能管理ソフトのリーダーに位置付けられるCAと、SOA技術で存在感を示す富士通の協業により、両社ともにグローバルサービス基盤の強化が狙いとなる。
相互製品のOEM契約を締結 | 業務プロセスの視点からボトルネックを生じさせるアプリケーション処理性能、およびインフラリソースの状況まで、全体の俯瞰(ふかん)から強力なドリルダウンが可能となる |
また、クラウドへの新たな取り組みも始める。例えば、富士通はクラウド上でBPMサービスを提供し、その情報をそのままSalesforce.comに連携できる「クラウドBPM」を提供している。今後、両社製品を連携させた上記のソリューションにおいてもクラウド対応を進め、「クラウドで重要となるマルチベンダー環境のサポートなど新たな取り組みを進めていく」(新田氏)。「マルチベンダー環境の効率的な管理を実現するため、長期的なビジョンの共有を図る」(CA 代表取締役社長のバスター・ブラウン氏)としている。