Enterprise Watch
最新ニュース

富士通、BPMソフト新版で「プロセス改善のPDCAサイクル迅速化を支援」


Interstage Business Process Managerの概念図

ソフトウェア事業本部 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部の立岩正弘事業部長代理
 富士通株式会社は6月16日、ミドルウェア製品群「Interstageシリーズ」のラインアップに、2製品を追加すると発表した。ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアの新版「Interstage Business Process Manager V10」、モニタリングツールの新版「Interstage Business Process Manager Analytics V10」を、同日より販売開始する。価格はそれぞれ、800万円(税別)から、300万円(同)から。

 Interstage Business Process Managerは、業務プロセスのライフサイクル全体を管理するためのBPMソフトで、前バージョンまでは「Interstage BPM Flow」の名称で販売されていた。特徴は、業務プロセスにおける承認・拒否・委任といった、「人」が行う役割を重視していること。これについてソフトウェア事業本部 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部の立岩正弘事業部長代理は、「人間の行動に注目し、いかに現場の人が効率よく使えるか、という点を重視している」と話す。
【お詫びと訂正】初出時、立岩氏の氏名を間違って記載しておりました。お詫びして訂正します。

 新版では、「PDCAのサイクル全体を速くまわすことに注目した機能強化を行った」(立岩氏)とのことで、具体的には、業務プロセスを効率よく改善していくための分析・シミュレーション機能を強化した。この機能を利用すると、過去の実績からシミュレーションに必要な条件を自動的に算出できることから、業務改善効果のシミュレーションがより効率よく、正確に行えるという。

 また、新たに業務画面のテンプレートを標準で提供するほか、標準テンプレートのカスタマイズ機能も備えており、業務プロセスの早期システム化を支援できる。さらに、業務運用を複数同時に行う際、個々に用意する必要があるプロセス定義、フォーム、クラスファイルなどの資産を、業務プロセス単位でパッケージ化して配置する機能も提供するとした。この機能では、管理・メンテナンスコストの削減を支援できる。


経営執行役 ソフトウェア事業本部長の山中明氏

ミドルウェア商品提供の考え方
 一方のInterstage Business Process Manager Analyticsは、業務のイベント・ログを利用して、業務プロセスの実行状況を監視し、異常の早期発見を行うためのソフトウェア。イベントについては、Interstage Business Process Managerから出力される業務プロセスの実行記録を収集でき、この情報をもとに業務改善や内部統制を行うための監視・分析を行えるという。

 こちらの新版では、業務プロセスの問題を早期に発見するための監視機能が強化された。具体的には、業務プロセスを実施するのに平均どのくらいかかるかを事前に算定し、個別のプロセスがそこからどのくらいずれているかを把握する手法によって、問題が発生しそうな案件を検知。事前に対処できるようにした。加えて、実行された業務がルールを外れる場合などには、警告を自動送信する機能も備えている。

 なお、これらのミドルウェア製品は欧米で先行してビジネスが開始され、すでに20カ国以上での販売実績を持つ。BPM製品では、金融・保険、政府・公共機関やメディア、大学などに適用されており、それらの市場でのニーズを取り入れて、継続的に機能が強化されているという。経営執行役 ソフトウェア事業本部長の山中明氏は、ミドルウェアをグローバルに展開している理由について、「単に国内市場が飽和しているということにとどまらず、グローバルに受け入れられるものでなければ、国内でも通用しない」と述べ、世界を見据えた製品作りが必要という点を強調した。

 また山中氏は、「企業では全体最適化が必要になるが、これには終わりはなく、PDCAをまわし続けられるシステムが必要になる。これを支えていけるのはソフトウェアだ」と述べた上で、「BPM」「情報統合・活用」「運用管理」「仮想・グリーン」といった4つの柱をミドルウェアで支援するとした。また、この提供にあたっては、「1社ですべてを賄うには限界がある。パートナーとのアライアンスが重要になる」と主張。さらに、ソフトウェア開発について、「市場が要望するものを現場から吸い上げて、強い商品を作っていく」との方針を示した。


個別の案件の進ちょくをトラッキング可能 個々の案件をドリルダウンしていくこともできる


URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  ニュースリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/06/16.html


( 石井 一志 )
2008/06/16 14:20

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.