「お客さまのたらい回しを防止する」、アバイアがSIPベースの新コンタクトソリューションを提供


Avaya Aura 6.0
代表取締役社長のロバート・スチーブンソン氏

 日本アバイア株式会社(アバイア)は6日、企業向けコミュニケーションプラットフォームの新版「Avaya Aura 6.0」と、それを用いた新たなコンタクトセンターソリューション「Avaya Aura Contact Center(AACC)」を発表した。

 Avaya Auraは、SIPベースのコミュニケーション基盤製品群で、音声、メール、IM(インスタントメッセージング)、SMSなどすべての“セッション”をSIPベースで統合管理することができる。

 AACCは、この仕組みを利用してコンタクトセンターに必要な機能を提供するソリューション。従来は、PBXの中にコールセンターの機能が入れ込まれており、1つのシステムとして動作していたため、バージョンアップや機能追加をしようとしてもシステム全体を変更する必要があった。しかしAACCでは、通信機能とアプリケーションを個別に変更できるので、コスト削減、拡張性の向上といったメリットが得られるという。

 また、各“セッション”を統合しており、コンタクト履歴、問い合わせ内容など顧客の情報を一元的に把握できることから、オペレーターは問い合わせ履歴を把握した上で、適切な対応が可能。さらに、オペレーターの知識・情報だけで対応できない場合にも、社内の専門家のプレゼンス情報を見ながら、適切なコンタクト手段で助言を得たり、顧客との会話に参加してもらったり、といった支援を得られる。

 ソリューションマーケティング部長の平野淳氏は、こうした機能を踏まえ、AACCを「可能な限り、1回の電話で答えを提供しやすくするもの」と紹介。代表取締役社長のロバート・スチーブンソン氏も、「顧客の観点から見ると、一番頭に来るのがたらい回しだろう。プッシュ型の仕組みでAさんからBさん、Cさんと人を回して行くために、コンタクトの情報が消え、毎回一から聞かれることでたらい回しが起こってしまうが、SIPの“セッション”を最大限活用することで、顧客満足度の向上につなげられる」と述べ、AACCの効果を強調した。

Avaya Aura Contact Centerのシステム構成イメージ多様な“セッション”を統合して扱えるため、適切なシステムを連携し、顧客に迅速に対応できるという
Avaya Agile Communication Environmentの構成イメージ

 さらに今回は、他社のシステムとAvaya Auraなどを統合するための「Avaya Agile Communication Environment(ACE)」も提供する。これはもともと、ノーテルネットワークスが提供していたソリューションで、サードパーティのコミュニケーションシステムと、Avaya Aura、また社内のビジネスアプリケーションなどとの連携を行えるようにする。

 APIやWebサービスの層で連携を実現するための開発キットが提供されるほか、プリパッケージされたアプリケーションとしての提供も行われる予定で、すでに、Lotus SametimeやMicrosoft Office Communications Serverなどとの連携パッケージが用意されているという。

 このほか、コンタクトセンター向けアプリケーションとしては、音声による情報提供サービスを実現するソフトウェア「Avaya Voice Portal」を利用し、アウトバウンドの通知を行えるようにする「Avaya Proactive Outreach Manager(POM)」、通話録音やワークフォース最適化が可能な「Avaya Aura Workforce Optimization(WFO)」も発表された。

 POMは、通常は顧客からのコールを受けるインバウンド用途で利用しているAvaya Voice Portalに対し、顧客への通知を行う機能を提供するもの。例えば、会員登録の完了通知、キャンペーン通知などをメール、SMS、電話によって知らせることが可能になる。通常、音声以外のセルフサービスソリューションの開発には、個別アプリケーションによる作り込みが必要だったが、POMでは定型業務がパッケージ化されているので、開発コスト・基幹を削減できる点がメリットだ。

 一方のWFOでは、アバイア製品として初めて通話録音機能を提供するほか、コンタクトセンターのワークフォースを最適化するための分析機能、記録・品質監視機能が用意されており、コンタクトセンターの全体像把握と、適切な人員配置を実現できるとのこと。

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