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ACEの位置付け
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Nortel Asia 次世代ユニファイド・ネットワークス部門 リーダーのカースティン・ギルバートソン氏
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ACEによる連携の例
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ノーテルネットワークス株式会社(以下、ノーテル)は12月4日、企業内のアプリケーションと通信機能を統合するソフトウェアプラットフォーム「Agile Communication Environment(ACE)」を発表した。同日より販売を開始する。
ACEは、企業内のさまざまなアプリケーションと通信機能を連携させるソフトウェアプラットフォーム。これを用いると、音声、ビデオ、データなどのネットワークから通信機能を取り込み、企業内のアプリケーションと統合できるという。具体的には、アプリケーション側はCRM/ERPをはじめとするビジネスアプリケーション、Webアプリケーションや他社のコミュニケーション製品などが想定されるほか、通信機能はPBX、IVR、プレゼンス情報、位置情報、クリックトゥコール機能など、非常に幅広い範囲が対象になるという。
ACEの最大のメリットは、「人がわざわざやらなくてはいけないことを自動化できる」(ノーテル エンタープライズ事業本部の飯塚壮一郎氏)ことだ。これを用いると、例えば、金融機関向けのシステムで株価を監視させ、「しきい値から10%上下したら担当者にアラートを出す」「25%変動したら関係するメンバー全員にアラートを出し、さらにカンファレンスも開催する」、といった作業を、自動的にシステム側に実行させることができる。別の例では、配送トラックの位置情報を用いて、配送先の半径10km以内に入った時に、音声やショートメッセージで通知する、といった使い方も考えられる。飯塚氏は、これらの例を示した後で、「これまでのシステムでは、アプリケーションと、とらなくてはいけないコミュニケーションが乖離(かいり)していることが問題だった」と指摘し、これをACEで解消できるとアピールする。
また、「100%オープンスタンダードの技術を使っているため、どんなアプリケーションとも連携可能」(Nortel Asia 次世代ユニファイド・ネットワークス部門 リーダーのカースティン・ギルバートソン氏)という点も、ACEの特徴だ。企業アプリケーションとのインターフェイスは、Webサービス、Java、.NETなど幅広い選択肢を提供できるほか、通信機能をアプリケーションに取り込むためのソフトウェアプラグイン(アダプタ)は、自社製品のみならず他社製品をサポートする。
こうしたオープン戦略を採用する理由を、ギルバートソン氏は「ソフトウェア、ソリューションの会社へ当社が変わっていくところだから」と説明。「お客さまを当社のインフラで囲い込むことはしない」と明言している。これを証明するように、すでに公表されている欧米の金融機関の事例では、Nortel製品だけでなく、Cisco Call Managerとのアダプタも使用されており、今後もアダプタを拡充していく予定。最初の段階ではこのほか、Nortel CS1000/MCS5100/AS5200と、日本タンバーグのビデオ会議製品向けのアダプタが提供される。
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ノーテル 代表取締役社長のレイ・テスク氏
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一方のアプリケーション側では、ユーザーやSIerが自ら連携部分を開発できるツールを提供するのみならず、プリパッケージされたオプションを用意する方針で、すでに日本IBMのLotus Sametime、マイクロソフトのOffice Communications Server 2007との連携を実現。さらに、CRM、ERPといったビジネスアプリケーションについても著名なベンダーと取り組みを進めており、「2009年には提供できるだろう」(ギルバートソン氏)とした。なお、連携可能なアプリケーション、通信機能は今後も随時拡張されていく予定で、ノーテル 代表取締役社長のレイ・テスク氏は、「こうした拡張はお客さまからのプランに基づいて行われる」と述べ、顧客の要望に最大限応えていく姿勢を示した。
「既存のプロセスやアプリケーションがより良い形で通信できるようになることで、お客さまの作業環境を改善できる。問題解決までにかかっていた時間やコストを下げられるし、(ユーザー企業に対するエンドユーザーからの)顧客満足度も向上できるだろう」(テスク氏)。
■ URL
ノーテルネットワークス株式会社
http://nortel.com/jp
( 石井 一志 )
2008/12/04 18:05
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