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CTC、村田製作所、NTTデータ先端技術、「Open Compute Project」に準拠した日本向けラックシステムを共同開発

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)、株式会社村田製作所、NTTデータ先端技術株式会社は7日、共同でデータセンターやハードウェアなどの設備仕様のオープン化を推進するOpen Compute Project(OCP)の仕様に準拠した専用ラックシステムを開発すると発表した。

 NTTデータ先端技術が持つ集中電源方式の技術に基づき、村田製作所が電源ユニットの設計・製造を担当。CTCが日本国内における顧客の要望を取り入れた専用ラックシステムの仕様を策定し、ラックの製造はラックメーカー数社が行う。

 OCPは、米Facebookが自社サービスで使用しているデータセンターやサーバーなどのハードウェア仕様をオープン化するために、2011年に開始したプロジェクト。全世界で150社以上が加盟し、OCP仕様のサーバー、ストレージ、スイッチ、ラックなどの開発が進められている。

 しかし、OCP専用ラックシステムは米国での使用を前提に設計されており、高さと奥行きが大きく、電源は日本国内で標準的に使用されている単相ではなく3相が標準として採用されている。また、コストについても一般的なラックよりも高額となるため、日本国内のデータセンターでOCP仕様のハードウェアを使用するためには、電源とラックサイズ、コストの課題を解決し、耐震性能を考慮した設計を専用ラックシステムに導入することが求められているという。

 CTCは、2014年1月に国内で初めて、OCPの運営団体であるOpen Compute Project Foundation からSolution Provider認定を受け、OCPが正式に認定する製品の販売、設計、構築、保守サポートを開始するとともに、OCPの普及に貢献してきた。また、OCP仕様のハードウェアを利用して、OpenStackをはじめとしたオープンかつスタンダードな技術を組み合わせた次世代ITインフラ 「Open Cloud Package」の提供も2015年から行っている。

 今回のOCP専用ラックシステム開発に際しては、顧客への提案・導入実績から得られた経験に基づき、日本国内のデータセンターで必要とされるラックの仕様を策定。顧客への専用ラックの販売、構築、保守サポートに加えて、従来から提供しているOCP仕様のサーバー、ストレージ、ネットワーク機器などを専用ラックシステムと組み合わせることで、OCPを活用したトータルソリューションを提供する。

 村田製作所では、従来から19インチ標準ラックに実装して使用するデータセンター向け集中電源製品の開発、製造、販売を行ってきたほか、ハイパワータイプのリチウムイオンバッテリーの開発も進めている。

 OCP専用ラックの開発に関しては、村田製作所が蓄積してきた集中電源技術およびリチウムウイオンバッテリー関連技術と、CTCおよびNTTデータ先端技術のソリューション技術を融合し、高効率・高品質な電源ユニットとリチウムイオンバッテリーを含むパワーシェルフの開発、製造、販売を行う。高効率の電源ユニットを用いた集中電源方式や高品質の内製リチウムイオンバッテリーなどにより、高効率で信頼性の高いOCP仕様に準拠したパワーシェルフを提供し、データセンター事業者の運用コスト低減に貢献する。

 NTTデータ先端技術は、サーバーラックシステムの省エネ化として、集中電源方式を展開している。個々のIT機器からは電源を排除し、サーバーラック全体の必要電力に応じた電源を集中化させて高効率にする方式により、サーバーラックとして、5〜10%の高効率化が期待できる。また、集中電源の台数を最適制御することと、バッテリーを利用したIT機器のピーク対応を行う技術で特許を保有しており、これらの技術により、19インチラック、OCP専用ラックなどに対応したシステムを販売していく。

 また、集中電源の入力電圧をHVDC(高電圧直流給電)対応にすることで、従来のUPSシステムに対して、省エネ、高信頼性、安全性に優れたシステムをデータセンター中心に提供する。

 OCP専用ラックシステムは、集中電源でAC-DC変換を一括で行うことで電力効率を向上させ、バスバー経由で各サーバー、ストレージ、ネットワーク機器に電源の供給を行う、OCP機器専用のラックシステム。米国では3相4線200Vまたは480Vに対応したOCP専用ラックが使用されているが、日本では単相100Vまたは200V、3相3線200Vが使用されることが多く、米国仕様のラックは導入が容易ではないといった問題がある。

 今回開発するOCP専用ラックは、3相4線方式はもちろん、3相3線方式や単相方式、さらに、高効率が期待されるHVDC(高電圧直流給電)方式の選択も可能とし、従来から使用されているサーバールームへの導入が容易となる。また、ラックの高さや奥行きも日本国内で標準的に使用されているサイズに変更予定で、米国で販売されているOCP専用ラックの7割程度の価格帯を検討している。

 パワーシェルフおよび電源装置については、サンプルの提供を2016年8月、製品販売を2017年3月に計画。多目的バッテリーモジュールについては2017年3月の製品販売を目指して開発を進めており、その他のモジュールについても順次開発・販売を進めていく。

(三柳 英樹)