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日立、カメラ付きヘッドマウントディスプレイやAR技術を用いた機器保守・設備管理クラウド

 株式会社日立製作所(以下、日立)と株式会社日立産業制御ソリューションズ(日立産業制御)は2日、カメラ付きヘッドマウントディスプレイとAR(拡張現実)技術を用いたクラウド型機器保守・設備管理サービス「Doctor Cloud/巡回・点検支援システム」を販売開始すると発表した。国内外の工場・プラントや水処理・交通施設などの社会インフラ事業者、建設会社向けに拡販するという。

システムの構成イメージ

 このサービスは、日立のクラウド型機器保守・設備管理サービス「Doctor Cloud」の機能を拡張し、目線カメラ付きヘッドマウントディスプレイと接写可能な点検カメラ、AR技術、複数拠点同時通信機能などを追加したもの。

 利用にあたっては、現場作業者が機器・設備に張り付けたマーカーを目線カメラで読み込むと、AR技術による作業ナビゲーションがヘッドマウントディスプレイ上に表示される仕組み。これにより作業スタッフは、目線を変えずに必要な情報を確認でき、両手を使って作業を行えるので、現場作業の効率・安全性が向上するという。また、これらの作業内容は、「Doctor Cloud」に組み込まれた設備管理ソフトと連動して記録・管理され、ノウハウの蓄積を支援するとした。

 あわせて、接写可能な点検カメラを採用することで、これまでは死角となりやすかった機器や配管の裏側・すき間などの撮影を行いやすくし、点検作業、建設現場での確認作業などの効率を向上させている。さらにヘッドマウントディプレイには、高輝度のディスプレイを搭載しているため、屋外・屋内にかかわらず高い視認性を確保する点も特徴とした。約2~8時間の連続動作に対応する内蔵バッテリーにより、長時間の連続作業にも対応できる。

 なお、多数の拠点や広大な敷地を持つ場合でも、複数拠点同時通信機能を用いることで、監督者が遠隔地にいても現場作業者に対して的確な指示が可能。これまで有識者や熟練技術者を現場に派遣せざるを得なかった特殊な作業でも、遠隔地からの作業指示で対応できるとした。

目線カメラ付きヘッドマウントディスプレイ外観

石井 一志