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琵琶湖の排水監視拠点でヘッドマウントディスプレイ活用、日立が保守システム納入へ

 株式会社日立製作所は2日、独立行政法人水資源機構の琵琶湖開発総合管理所より、排水設備の保守・点検用システムを受注したと発表した。カメラ付きのヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた作業支援機能を備えるのが特徴。2016年3月に納入される予定。

システムの利用イメージ図

 今回提供されるのは、日立が9月2日に発表した「Doctor Cloud/巡回・点検支援システム」。目線カメラ付きHMD、接写用の点検カメラ、AR技術、M2M対応のクラウド型機器保守・設備管理サービスなどがパッケージとなっている。

 琵琶湖開発総合管理所では、このシステムを大同川排水機場(滋賀県東近江市)と米原排水機場(滋賀県米原市)にて運用する。台風などの大雨で琵琶湖の水位が上昇した場合、琵琶湖からの逆流による内陸部の氾濫を抑止するため、川の水をポンプで強制的に琵琶湖へ戻す作業を行うが、緊急性が高く、かつ職員の習熟度にも違いがあるため、操作手順の徹底などの面で課題があるという。

 システムの導入により、ポンプの操作手順をAR技術でナビゲーションできるようになるため、ヒューマンエラーの防止、作業の効率化、安全性の向上などが期待できる。また、ポンプにトラブルが発生した場合も、HMDやカメラを利用することで、遠隔地からの作業指示が的確に行えるとしている。

森田 秀一