ニュース

DNP、マーケティング向けビッグデータ分析基盤を構築~IBMのデータ分析ソリューション群を活用

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、IBM)は23日、DNPがマーケティング向けに活用するビッグデータ分析基盤を構築したと発表した。

 DNPでは、今後も需要が拡大する各種ビッグデータの分析環境を整備するために、IBMのソリューション群を生かし、新たなビッグデータ分析基盤を自社のデータセンター内に構築した。これにより、生活者に最適なプロモーション施策の立案が行える高度なマーケティング活動の実現と、収益性向上および競争力強化を目指すという。

 また、その第一弾として、購買履歴やアンケートの回答から、ライフスタイルや購買・生活行動などの観点で生活者の価値観を分析する「DNP生活者情報活用支援サービス」のデータ分析に、この分析基盤を活用するとのこと。

 DNPが構築した分析基盤では、POWER8を搭載するLinux専用機「IBM Power Systems S812L」12台と、大量の非構造化データを並列分散処理するソフト「IBM InfoSphere BigInsights」を組み合わせ、高速な分析を実現した。

 また、最新のデータ分析テクノロジーを、専門のメンバー以外も活用できるようにするため、従来のSQLスキルをそのまま生かしてHadoopを活用できる「IBM InfoSphere BigInsights」のBigSQL機能を活用。既存の「IBM PureData System for Analytics」と「IBM SPSS Modeler」で構成される分析システム、データを連携し、ユーザーが一元的にデータを加工・分析できるようにした。

 今後DNPは、今まで別個の環境で運用していたマーケティング支援サービスの分析を、この分析基盤に集約することで、運用コストの軽減、対応スピードの向上、分析に関する知見の社内での共有などを実現する。またこの分析基盤を、社内のさまざまな分析業務のプラットフォームとして活用していく考えだ。

 なお、今回構築された分析基盤は、DNPと日本ユニシスが2012年8月9日に発表した業務提携における、「マーケティングプラットフォームの共同開発・展開」の一環として構築されており、その構築に関しては、日本ユニシスがプロジェクトおよび品質の管理を支援し、日本情報通信株式会社がシステム構築を担当している。

石井 一志