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Oracle Cloud Platformが大幅に強化、クラウドで利用できるExadataやMBaaSなどを提供

 米Oracleは22日(米国時間)、PaaSを中心としたクラウドサービス「Oracle Cloud Platform」において、新たなサービスを追加すると発表した。

 Oracle Cloud Platformは、オンプレミスと同様の環境をクラウドで利用できるPaaS型サービス。データベース製品のクラウド版であるOracle Database Cloud Serviceや、アプリケーション実行基盤のOracle Java Cloud Serviceをはじめ、さまざまなサービスをラインアップしている。

 ユーザーはOracle Cloud Platformを利用することで、新規アプリケーションの構築や既存アプリケーションの拡張を行える一方、アプリケーションを変更せずに既存のオンプレミスのワークロードを簡単にクラウドに移行できるという。

 今回は新たに、「Oracle Database Cloud - Exadata」「Oracle Archive Storage Cloud」「Oracle Big Data Cloud」「Oracle Integration Cloud」「Oracle Process Cloud」「Oracle Mobile Cloud」の各サービスを提供する。

 新サービスのうち「Oracle Database Cloud - Exadata Service」は、データベースマシン「Oracle Exadata」の性能をクラウドで利用可能にするもの。Oracle Exadataのようなオンプレミスの本番データベースと同じ機能、パフォーマンス、可用性を持つOracle Databaseを、クラウド上で実行できる。また、このサービスの一部としてクラウド上に導入されるOracle Databaseは、オンプレミスで導入されているOracle Databaseと100%の互換性を持つため、クラウドへのスムーズな移行のみならず、ハイブリッドクラウド環境の構築も可能という。

 また「Oracle Archive Storage Cloud」は、長期保存が必要なアプリケーションとワークロードのためのストレージを低価格で提供するサービス。企業財務記録、医療・医薬品アーカイブ、文化保護コンテンツ、保険記録、マスター・デジタル・フィルムなど、アクセス頻度が少ない大規模データに適している。ユーザーは、Oracleおよびサードパーティのバックアップ/アーカイブソフトウェアなどと統合された業界標準のAPIを用いて、アーカイブされた文書やデータにアクセス可能になるとのこと。

 「Oracle Big Data Cloud Service」「Big Data SQL Cloud Service」では、企業がビッグデータを取得・管理できるように、HadoopおよびNoSQLデータベース上のさまざまなワークロードを実行するために、高パフォーマンスでセキュアなプラットフォームを提供する。両社を組み合わせれば、OracleのSQL実装をHadoopやNoSQLにまで拡張し、クラウド上で総合的なビッグデータ管理システムを実現できるとした。

 「Oracle Integration Cloud」は、クラウド環境およびオンプレミス環境のOracle、あるいは他社製アプリケーション間の連携を行えるようにするサービス。「Oracle Process Cloud」では、プロセス・アプリケーションのデジタル自動化を推進・実現するための機能を、IT部門の手を借りずに、ビジネスユーザーに提供可能という。

 最後の「Oracle Mobile Cloud Service」は、いわゆるMobile Backend as a Service(MBaaS)で、モバイルアプリの迅速な開発と展開を行えるだけでなく、エンタープライズグレードの強固なクラウドインフラを提供する。開発者は、モバイルアプリの連携、モバイルAPIやセキュリティなどを気にせずに、あらゆるデバイス上で実行でき、さまざまなビジネスニーズにも対応可能なモバイルアプリを迅速に開発・提供可能としている。

石井 一志