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SansanがAPIを初公開、外部サービスで名刺情報が活用可能に

取締役 Sansan事業部長の富岡圭氏

 Sansan株式会社は12日、クラウド型名刺管理サービス「Sansan」において、各種機能を外部サービスと連携するためのAPIを8月中旬(予定)に初公開すると発表した。それに伴い、新パートナープログラムを新設し、先行パートナー製品との連携も開始する。

 Sansanは、企業向けのクラウド型名刺管理サービス。特長は、データベース化された名刺情報を基に、クラウド上で顧客情報を常に正確・最新に保てる独自の仕組み。日経テレコンやダイヤモンド社のデータを基に人事情報を更新する特許技術や、同じ会社の社員が受け取った名刺を共有することによる名寄せ機能も備えるため、Sansanのデータベースをマスタデータにすることで、正確な顧客情報を使って、さまざまなサービスが可能となる。

Sansanの仕組み
導入社数が拡大

 今回、Sansanの名刺情報を参照できるAPIを開放(オープン化)することで、次のような連携機能が期待される。

連携機能概要
自動作成される連絡帳名刺の連絡先が自動的にメーラーに追加され、どの端末からも同じように使用できる。
成長する顧客管理データベース顧客情報やキーマンの情報はデータ化された名刺情報によって最新に保たれる。
優秀な事務スタッフ日報を記入する際に名刺情報を呼び出せば、自動的に最寄り駅を判定して交通費精算を行ってくれる。
気の利く配送代行名刺データからワンタッチで昇進祝いや御礼状などを印刷から配達まで一括でお任せできるシステムを構築できる。
心強い営業マップ名刺交換した顧客情報が地図上にプロットされ、近くの営業先をすぐに参照できる。
自動作成される連絡帳
成長する顧客管理データベース
優秀な事務スタッフ
気の利く配送代行
心強い営業マップ

 取締役 Sansan事業部長の富岡圭氏は「世界では年間100億枚の名刺がやり取りされている。Sansanのミッションは“ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する”というもの。おかげさまでここ数年で導入社数は3000社以上に拡大している。名刺はずっと紙だけで管理されてきたが、現在はデータ化できるようになった。(API公開により)今後は名刺データを自由に活用できる世界が訪れる。そこでは(他社サービスとの連携により)誰も想像できていない価値が生まれてくるのでは」と述べる。

 APIは、RESTful API(JavaScriptライブラリ)として提供される。提供時期は8月中旬を予定。これに伴い、新たなパートナープログラムを開始する。パートナープログラムは、APIを自社製品に組み込める「Productパートナー」と、APIをSI利用できる「SIパートナー」を用意。APIはパートナープログラムへの参加が利用条件となるが、パートナープログラムへの参加に料金は発生しない。

 先行パートナーとしてすでに20社と提携済みで、発表会ではそのうち、サイボウズ、セールスフォース、マイクロソフト、日本郵便の4社が登壇し、エンドースメントを述べた。Sansanでは企業向けサービスについて2017年度に1万社の導入をめざしており、今回のAPI公開でドライブをかけたい考えだ。

提供されるAPI群の例
先行パートナー一覧
左から、サイボウズの林田保氏、セールスフォースの保科実氏、Sansanの富岡圭氏、日本郵便の津山克彦氏、マイクロソフトの日隈寛和氏

川島 弘之