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あらゆるモノとチャットで会話、ACCESSが描くIoTの世界

実現への新サービス「ACCESS Connect」開始

 株式会社ACCESSは8日、IoT化を加速するクラウド総合ソリューション「ACEESS Connect」を発表した。主に家電・産業機器・ロボットメーカー・サービス事業者を対象に提供する。

 ACCESS Connectは、モノをインターネットに接続するためのSDKと、デバイスとサービスをつなぐためのクラウドサービス(BaaS:Backend as a Service)を提供。さらにBeacon、チャット、UIエンジンなど、IoTサービスの開発・運用に必要な要素技術をすべてオールインワンで提供する。ユーザーは必要な要素技術だけを選んで導入できる。

「ACCESS Connect」構成図

 中核となるBaaSには、ユーザー管理、テナント管理、決済機能、ファイル管理、データ管理といった共通基本機能を実装し、コンテンツのプッシュ配信、メッセージ、メール、カード決済などを実現する。基本機能をBaaS上で共通化することで、上位レイヤのアプリ間連携が容易となるため、効率的なIoTサービスが実現するという。今後、DMP(Data Management Platform)といったビッグデータ解析機能も拡充する予定。

 併せて、各業界・用途に特化したソリューションパッケージとして、4種類の「プロファイル」も用意。まずは「O2O Profile」「M2H Profile」「UI Profile」「xEMS Profile」を提供する。

 O2O Profileでは、モバイルデバイスとBeacon等のセンサーを使って、人の位置情報とクラウドをつなぎ、集客・送客、ターゲットマーケティングなどを実現する。今後、デジタルサイネージ連携などにも対応する予定。

 M2H Profileでは、機械と機械をつなぐM2Mから、さらに人もつなぐ「M2H(Machine to Human)」の世界を実現。そのための要素技術として「Linkit」のチャット技術をベースとして、ロボット・家電と人の双方向リアルタイムコミュニケーションを実現する。

 UI Profileでは、AndroidやLinuxなどが搭載できないCPU/メモリが限られたデバイスであっても、インターネットに接続し、スマートフォン風なタッチパネル機能を実装可能にする。「PaneE」の技術を採用し、M2H機器に理想的なUIエンジンとして提供する。

 xEMS Profileでは、HEMSやBEMSとして、家庭・マンション・ビルにおける消費電力の可視化、遠隔制御、連携動作、効率的な電力使用のレコメンドといったサービスを実現する。ECHONET Lite規格準拠のミドルウェア「NetFront HEMS Connect SDK」の技術を採用し、まずはHEMSから、順次BEMSによるビルでの応用へと拡大する予定。

 用途例としては、O2O Profile×M2H Profileにより、家電の操作やメンテナンスサービスをチャットで実現。たとえば、コンビニに設置されたコーヒーマシンの機器内温度を温室度センサーでリアルタイムに監視し、異常時に関係者へチャットで一斉にプッシュ通知して、アフターサービスの向上を図れる。

 xEMS Profile×M2H Profileでは、家庭のエアコンとスマホアプリをクラウド経由で連携させ、エアコンの稼働状況や温度設定をスマホアプリへチャットでお知らせ。外出先からエアコンの遠隔操作も可能になるという。

エアコンとチャットで話すような感覚

 今夏にはセンサー技術を活用してリアルタイムに人・モノの位置情報や移動履歴を提供する「Location Profile」や、資機材などのモノの位置情報や移動履歴を管理する「Inventory Profile」といったプロファイルの拡充のほか、ゲートウェイとアプリで必要なバックエンド機能をサービスとしてまとめた仕組み「IoTバックエンドサービス」なども順次拡充・提供していく考え。

さまざまな家電機器とIoT連携した場合のイメージ

川島 弘之