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企業のOSS導入率は31.5%、本番環境で利用の多いOSSは?~IDC調べ

OSS使用企業における主なOSSの利用率

 IDC Japan株式会社は6日、企業におけるオープンソースソフト(OSS)の利用実態調査結果を発表した。OSSの導入率は31.5%。通信・情報、公共・公益、金融での導入率が高いことが分かった。

 調査によると、OSSを「本番環境で導入している」と回答した企業は31.5%となった。さらに「試験的に導入している」は5.2%、「導入に向けて検証している」は4.1%、「これから導入を検討する」は10.0%となった。一方で「導入の予定はまったくない」は33.3%、「今後の予定は分からない」は12.1%となった。

 産業分野別に導入状況を見ると、「本番環境で導入している」が30%を超えているのは、通信・情報(39.2%)、公共・公益(37.6%)、金融(35.4%)だった。

 1次調査において、IT戦略におけるOSSの使用方針について質問した結果、「積極的に使用する」と回答した企業は12.1%、「適材適所で使用する」は31.3%となり、それらを合わせた40%以上の企業がOSSの使用に対して前向きな方針。一方、「明確な方針はない」が26.6%、「分からない」が9.4%となるなど、OSSに対する方針が不明瞭な企業も約1/3を占めていることが分かった。

 2次調査では、OSSを使用している企業に対してより詳細に利用実態を調査した。本番環境においては、「Linux」が63.8%で最も高い利用率となり、そのほか、アプリケーションサーバーの「Tomcat」(39.5%)と「JBoss」(13.9%)、RDBMSの「MySQL」(26.5%)と「PostgreSQL」(13.3%)、運用管理の「Zabbix」(13.3%)、仮想化の「Xen」(12.6%)と「KVM」(10.7%)、システムソフトの「Samba」(29.1%)と「OpenLDAP」(15.5%)が利用率10%を超えた。

 ビッグデータ関連ソフトの「Hadoop」や「NoSQL」、クラウド基盤ソフトの「OpenStack」や「CloudStack」、仮想化コンテナソフト「Docker」など最近注目を集めているOSSの利用率は低いものの、今後の活用が期待されるとしている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷 光浩は「OSSを利用する最大のメリットは、コスト削減や最新技術だけでなく、エコシステムを活用できることにある。特に第3のプラットフォームはOSSのエコシステムがけん引している。ユーザーやソリューションプロバイダは、これを十分に活用し、第3のプラットフォーム上で新たなビジネスを送出し、競争力を強化していくことが重要になる」と述べている。

川島 弘之