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岐阜県が全公立学校に整備、「共通仮想基盤」と「4K画質の遠隔研修」

 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は6日、岐阜県教育委員会(以下、岐阜県教委)が県内の全公立学校に提供する共通仮想基盤、および4K画質の遠隔研修システムを構築したと発表した。2014年12月から運用が始まっている。

 共通仮想基盤によって、県立高等学校・県立特別支援学校(以下、県立学校)の教職員約5000名が利用するグループウェアや、市町村立小中学校・県立学校の教職員約2万名が利用するWebメールなど、約40個の情報系システムごとに異なっていた物理サーバー群、ならびに各県立学校がそれぞれ所有していたファイルサーバーを統合。公立学校の教職員全員の統合ID基盤も併せて導入し、設備投資コストと運用管理負荷を大幅に削減した。

 統合ID基盤では、教職員の人事異動情報から、既存情報との差分を自動抽出して反映する仕組みを整備。このIDをグループウェア・Webメール・Active Directoryなどと自動的に連携させている。

 システム構成としては、仮想基盤ソリューションパッケージ「EMC VSPEX」を採用。仮想化ソフト「VMware vSphere」、サーバー「Cisco UCS Bシリーズ ブレードサーバ」、共有ストレージ「EMC VNX」、ファイルサーバー「EMC Isilon」、重複排除バックアップストレージ「EMC Data Domain」を活用している。

共通仮想基盤の概要図
教職員の統合ID管理・システム連携図

 併せて、4K画質の遠隔研修システムも構築。岐阜県教委が実施している教員研修において、移動時間とコスト削減のために、研修会場の岐阜県総合教育センターと県立学校を結ぶビデオ会議システムによる遠隔研修を実施していたが、研修効果を一層高めるため、画質・音質の向上が課題となっていた。

遠隔研修システムの概要図

 これに対してネットワンが提案したのが、「Cisco TelePresence」による4K画質の高品質なビデオ会議システム。講師・受講者の映像と講義資料を2つの画面に分けて出力し、対面研修に近い臨場感を可能にした。さらにコンパクトに収納できるビデオ会議端末を選択したことで、会場変更にも柔軟に対応できるようにした。

川島 弘之