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クラウドセキュリティのウェブルートが国内で重視する3つの領域

2015年度事業戦略を発表

米Webroot チーフマーケティングオフィサーのデヴィッド・ダンカン氏

 ウェブルート株式会社は7月14日、日本市場における2015年度事業戦略について説明するプレス発表会を開催した。

 発表会では、まず、米Webroot チーフマーケティングオフィサーのデヴィッド・ダンカン氏が、同社のグローバルでの事業概況について説明。「当社は1997年に設立し、現在の従業員数は400人、売り上げは約1億2500万ドルとなっている。当社エンドポイントセキュリティ製品のユーザーは750万で、そのうち企業ユーザーは170万、モバイルユーザーは130万、またOEMパートナー製品のユーザーは2700万に達している。近年は、クラウドセキュリティソリューションプロバイダへと事業転換を行い、コンシューマ、SMB、OEMの全セグメントで好調な成長を続けている」と述べた。

 クラウドセキュリティのニーズが高まっている背景については、標的型攻撃(APT)が企業の大きな脅威になってきていることを指摘。「最新の標的型攻撃は、特定の標的にカスタマイズされており、従来のシグニチャーベースのソリューションでは検出が難しくなっている。そのため、標的型攻撃への対策として、膨大なクラウド上の脅威データベースを活用してセキュリティインテリジェンスを提供するクラウドセキュリティソリューションが求められている」という。

「Webroot BrightCloudセキュリティサービス」の概要

 同社の提供している「Webroot BrightCloudセキュリティサービス」では、「2700万人のエンドユーザーのデータに加え、800万のモバイルアプリ、40億のファイルの振る舞い、7億4000万のIPアドレスなどの情報を基に、高度なマシンラーニング機能を活用することで、迅速に脅威を検知し、防御することができる。現在、このサービスを利用したオンラインバンキング向けソリューションに力を注いでおり、グローバルで30以上の金融機関とパートナーシップを結んでいる」と、オンラインバンキングを中心に同社のクラウドセキュリティソリューションの導入が進んでいることを強調した。

 こうしたグローバルでの事業展開を踏まえて、日本市場の2015年度事業戦略としては、「テクノロジー」、「パートナー」、「コンシューマ」の3つのエリアにフォーカスし、さらなる事業成長を目指していく方針を明らかにした。各エリアの事業展開について、ウェブルート マーケティング部シニアマネージャーの吉田一貫氏は、「まず1つめの『テクノロジー』では、グローバルで提供している『Webroot BrightCloudセキュリティサービス』を日本市場にも投入する。また、同サービスを利用したオンラインバンキングソリューションも展開し、国内の金融機関向けに積極的に提案していく」と、グローバルの先進技術を日本市場でも展開していくという。

ウェブルート マーケティング部シニアマネージャーの吉田一貫氏

 「『パートナー』では、エンドポイントビジネスのさらなる拡張を図るため、パートナーとの協力によるManaged Serviceビジネスを推進していく。これによって、単に製品を販売するだけでなく、パートナーにとっての新たな事業機会を創出していく。あわせて、早いタイミングで、パートナー支援プログラムを立ち上げ、パートナーがより販売しやすい環境を整える」としている。

 「『コンシューマ』については、当社のコンシューマ市場での認知度をさらに高めていく取り組みとして、パワーユーザー向け製品を投入する。当社製品は、動作が軽快で、PCのパフォーマンスに影響を与えないことが大きな特徴となっている。この特徴を強く訴求するために、パフォーマンスを重視するゲームユーザー向けの製品を今秋リリースする予定だ。また、家電量販店への展開を強化し、今後2~3年で店頭シェア10%を目指す」と、コンシューマ市場のシェア拡大にも挑戦すると意欲を見せた。

ウェブルートの企業向け製品ラインアップ
ウェブルートの個人向け製品ラインアップ

 日本市場向けの製品ポートフォリオとしては、現在、企業向けにウェブルートインテリジェンスネットワークをベースにした「SecureAnywhere Business」シリーズを展開。ウェブセキュリティ製品「Webセキュリティサービス」、モバイルセキュリティ製品「モバイルプロテクション」、エンドポイントセキュリティ製品「エンドポイントプロテクション」をラインアップしており、6月には新製品として、ユーザーベースのエンドポイントセキュリティ製品「ユーザープロテクション」を発売している。「ユーザープロテクション」は、1ユーザー4台まで使用できるマルチデバイス対応ライセンスとなっている。そして今後、脅威インテリジェンスサービスとして「Webroot BrightCloudセキュリティサービス」を展開していく予定。

 個人向けには、「SecureAnywhere」シリーズとして、アンチウイルス製品の「アンチウイルス」、同製品にモバイル対応とパスワード管理機能を加えた「インターネットセキュリティプラス」、さらに25GBストレージを追加した「インターネットセキュリティコンプリート」の3製品を発売している。今秋には、パワーユーザー向けの新製品「アンチウイルス for ゲーマー」のリリースを予定している。

唐沢 正和