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ブロケード、イーサネットファブリックスイッチの拡張性を強化

10GBASE-Tへ拡張可能なスイッチや100Gラインカードなども提供

 ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社(以下、ブロケード)は4日、イーサネットファブリック技術「Brocade VCS Fabric」に新機能を追加すると発表した。また、VCS Fabric対応スイッチ「Brocade VDX」の新製品やオプションも同時に発表している。

 VCS Fabricは、従来のネットワーク構造で主流だった3層の階層型ではなく、レイヤ2のフラットなネットワーク構造を実現するイーサネットファブリック技術。TRILLをベースにしたECMP(Equal Cost Multi Path)により、STP(スパニングツリー)を排した拡張性の高いネットワークを構成できるという。

 今回実装された新機能「Brocade VCS Virtual Fabric」では、既存の運用および組織体系の延長線上で、シームレスにマルチテナント機能を実装できるようになった。具体的には、VLANの運用において問題となるID数の制限(4096)を緩和しており、同一のVLAN IDを使っていたとしても、論理的に分かれた別のネットワークとして構成できるため、より大規模のネットワーク環境を収容できる。

 この機能はハイパーバイザーに依存しないため、データセンター内で複数のハイパーバイザーを導入している環境に適しているとのこと。また、オープンなAPIを提供しており、OpenStackとの連携によって、自動化されたテナントプロビジョニングを実現するとした。

 また、3月に発売を予定しているゲートウェイ機能「VCS Gateway for VMware NSX」のトライアル使用も可能になっている。これは、仮想化されていないアプリケーションが稼働する物理サーバーや物理ストレージと、VMwareのネットワーク仮想化ソリューション「VMware NSX」とのゲートウェイ。トンネル接続をIP接続に変換することにより、仕様上どうしても仮想化できない機器と仮想ネットワーク環境の接続を実現する。

 ハードウェアの新製品としては、次世代ASICを利用したトップオブラック(ToR)スイッチ「Brocade VDX 6740T-1G」を新たに追加した。これは、1000BASE-T×48ポートを備えるスイッチだが、ソフトウェアライセンスの購入により、ハードウェアの変更なく10GBASE-Tへアップグレードできるため、スモールスタートからの段階的な拡張が可能とのこと。米国での参考価格は1万4995ドルから。

 なおこのほか、「Brocade VDX 8770」スイッチ向けのラインカードのラインアップも拡張され、100Gigabit Ethernet(GbE)×6、40GbE×27、10GBASE-T×48などのモジュールが新たに追加された。米国での参考価格は、それぞれ9万6000ドルから、6万ドルから、4万5000ドルから。

石井 一志