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米Red Hat、OpenStack連携や管理性の向上などを実現した「Red Hat Storage 2.1」

 米Red Hatは10日(米国時間)、ストレージサーバー構築ソフト「Red Hat Storage」の新版「同 2.1」を提供開始すると発表した。また同時に、Amazon Web Services(AWS)上において、Red Hat Storage Serverの実習体験を無料で行える「Red Hat Storage Test Drives on AWS」も発表されている。

 Red Hat Storageは、x86サーバーを利用してスケールアウト型ストレージを構築できるソフト。新版は、Red Hat Enterprise Linux 6.4をベースに、最新のGlusterFSコミュニティリリース、オープンソース仮想化プラットフォームのoVirt、およびXFS File Systemと組み合わせて提供され、性能、スケーラビリティ、管理性が向上しているという。

 具体的には、Red Hat Satelliteによる管理によって、Red Hat Storage Serverのインストール、プロビジョニング、保守といった作業を簡素化した。また、ジオ(遠隔地)レプリケーション技術の向上により、グローバル規模でのデータ保護と可用性が強化され、WANリンク上で災害復旧拠点への膨大な量の非構造化データに対して、タイムリーなレプリケーションを可能にした。Red Hatの社内検証では、従来版と比べて38倍の性能向上が見られたという。

 さらに、SMB 2.0との完全な互換性、Active Directoryのサポートおよび性能の向上によって、Windowsプラットフォームに対する相互運用性が強化されている。

 加えて今回は、OpenStackとの統合を実現しているのも特徴。OpenStack Grizzlyのオブジェクトストレージ(Swift)APIレイヤを利用できるほか、OpenStackのブロックストレージ(Cinder)およびイメージサービス(Glance)に対するストレージバックエンドも提供できるとのこと。

 なおRed Hatでは、商用OpenStackであるRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformも提供しており、これとRed Hat Storage ServerとをRed Hatがシングルベンダーとして連携/開発/サポートするため、ユーザー企業は完全なプライベートクラウド環境を利用可能としている。

石井 一志