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日本IBM、マシンデータ解析で機器の予防保全を支援

 日本IBMは16日、マシンデータ解析による故障予測・品質向上を実現する新ソリューション「Predictive Asset Optimization(以下、PAO)」を発売した。また、同ソリューションで使用するソフトをバンドルしたソフト製品群「IBM Predictive Maintenance and Quality(PMQ)」の提供も開始した。

 企業が保有する機器(マシン)から測定されるデータは、工場内の生産機器や測定機器、発電所の設備、製造ラインのロボットなど多岐にわたる場所から収集されている。センサー技術の向上などに伴い、そのデータ量も急増。さらに企業内のみならず、ブルドーザーやクレーンといった重機などのすでに販売済みの製品についても、メーカー側が稼働状況を管理してメンテナンスなどを支援するケースも増えている。

 PAOは、こうした企業内外のあらゆる測定ポイントからの測定データをリアルタイムに収集・分析し、将来起こりえる異常や故障を事前に検知し対策することで、品質の劣化や予定外のダウンタイムの回避、トラブルの未然防止や最小化、不要な定期メンテナンスの削減などを図り、資産効率と製品品質を最適化する。

 アナリティクス関連のソフト製品とコンサルサービスを組み合わせて提供。具体的には、各種ログ、設備台帳、資産ごとのメンテナンスコスト情報など、構造化・非構造化データの両方を収集し、予測分析ソフト「IBM SPSS Modeler」を用いて予測統計モデルを生成する。そのモデルを基に、IBMのコンサルタントがBIツール「IBM Cognos Business Intelligence」や統計解析ツール「IBM SPSS Statistics」を用いて分析し、根本原因を特定。解析により得られた警告、推奨される対応策を、分析結果を基に推奨アクションを提示するツール「IBM SPSS Analytical Decision Management」に表示する。

 使用するソフトウェアは、分析資産管理ツール「IBM SPSS Collaboration and Deployment Services」によって制御されるため、ユーザーはソフト管理を負担する必要がない。また、このソフト製品群を支える基盤として、エンタープライズ・サービス・バス(ESB)ツール「IBM WebSphere Message Broker」、データベース管理ツール「IBM DB2」、マスタデータ管理ツール「IBM Master Data Management」などが利用される。

 併せて、PAOで利用されるソフト製品群をパッケージ化した「PMQ」も日本IBMおよびパートナーを通じて提供を開始。顧客の環境に合わせ、ソフト製品群のみで導入が可能で、価格は3895万5000円(税別)から。

川島 弘之