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NEC、仮想サーバーの払い出しを自動化するクラウド基盤ソフト新版

 日本電気株式会社(以下、NEC)は29日、クラウド基盤ソフトの新製品「WebSAM vDC Automation Ver2.0」を販売開始すると発表した。

 「WebSAM vDC Automation」は、データセンターの運用自動化を支援するソフト。新版ではSDN(Software-Defined Network)の概念をいち早く取り込み、OpenFlow技術を活用したNEC独自のProgrammableFlow Controller「UNIVERGE PF6800」との連携によって、仮想サーバーと仮想ネットワークの集中制御を実現した。これにより、従来は運用管理者が多くの時間をかけていた、ユーザーからの仮想サーバー払い出し要求に伴うネットワーク設定の変更作業を自動化できる。

 具体的には、仮想サーバー払い出し要求に応じ、あらかじめ定義したポリシーに従って、一元化されたリソースから仮想リソースを自動的に割り当てる仕組み。また割り当てられたリソースで仮想ネットワークを生成し、OpenFlow対応スイッチの設定を自動で行うほか、ファイアウォールやロードバランサーの設定、仮想サーバー生成、ストレージ割り当て、アプリケーションのインストール、監視設定など、一連の設定作業を自動化することができる。

 さらにこの製品を利用すると、広域に分散して設置されたデータセンターを一元管理できるため、10万台規模の仮想サーバーを保有する大規模な仮想データセンターについても、容易に運用できるようになるとのこと。この際、各データセンターで分散管理されていた、仮想サーバー構築に必要なソフトなどについても一元管理を実現するので、どのデータセンターからでも、仮想サーバーの払い出し要求に対応できるようになる。

 このほか今回は、監視専用マシンを用意することなく、月額サービスとして監視機能を利用できるオプションを運用管理者向けに提供するので、短期間で監視システムの導入が可能になる点も特徴だ。

 価格は、エージェント基本ライセンスが月額3万9900円(税別)/プロセッサから、運用管理アプライアンスのサーバー監視ライセンスが月額4400円(税別)から。出荷開始はいずれも6月28日の予定。

 なおNECでは、セルフサービスポータル基盤とクラウドサービス管理機能を提供する「WebSAM Cloud Manager」と合わせて、オンプレミスデータセンターやプライベートクラウド、パブリッククラウドの導入を検討している企業、通信事業者へ販売を進める考えで、3年間に100システムの販売を見込んでいる。

 また、6月12日より14日まで展示会が開催される「Interop Tokyo 2013」(会場:幕張メッセ)に、「WebSAM vDC Automation Ver2.0」を出展するとのこと。

(石井 一志)