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「市場の倍のスピードで成長する」、レッドハットの2014年度事業戦略
(2013/4/25 06:00)
レッドハット株式会社は4月24日、Red Hatのワールドワイドでの会計年度2013年度(2012年3月~2013年2月)の業績と2014年度の戦略、日本法人の2014年度事業方針について、記者説明会を開催した。レッドハット株式会社 代表取締役社長の廣川裕司氏は、日本法人の事業方針として「市場の倍のスピードで成長する」と語り、新規事業拡大やパートナー強化などの方策を説明した。
2013年度のワールドワイドの業績は、総売上が前年度比17%増(11.33億ドルから13.29億ドルへ)となった。さらに、2003年度からの11年間で44四半期のあいだ連続して売上が成長しているというデータも示された。また廣川氏は、「昨年度は投資の年だった」とコメント。従業員を4000人から5500人に増やしたことや、メッセージングのFuseSource社、BPMのPolymitta社、クラウド管理のManageIQ社の3社を買収したことを紹介した。
2014年度のワールドワイドの事業方針として掲げられている3つの柱は、「オープンハイブリッドクラウドの実現」「ビッグデータ戦略の推進」「OpenStackにおけるリーダーシップ」だ。このうちOpenStackは新たに加わったもの。4月に開かれたOpenStack Summitにおいて、Red HatによるOpenStackディストリビューション「RDO」のコミュニティ版や、早期導入プログラム、パートナープログラムを発表している。
これを受けた日本法人の2014年度の事業方針として、廣川氏は「市場の倍のスピードで成長」という言葉を掲げた。「Linuxの市場全体が8%伸びるならレッドハットは16%成長、10%伸びるならレッドハットは20%成長する」(廣川氏)。なお、2013年度の日本法人は、円ではワールドワイドと同程度の成長率だったが、ドルでは円安によりワールドワイドより低い数字となったと説明された。
成長のための具体的な方策は、2つ語られた。1つ目は、Linux以外の新規事業の拡大。オープンハイブリッドクラウド(仮想化やクラウドの製品)、JBossミドルウェア、Red Hat Storageなどを指す。取り組みとしては、製品・ソリューション事業統括本部を発足したことや、ソリューション営業を20%強増員したことが挙げられた。
2つ目がパートナー協業強化。パートナーのエンジニア育成や、協業によるメインフレームやUNIXなどからの移行の加速、JBoss・Red Hat Storage・OpenStackなどの新規事業におけるパートナー拡大が挙げられた。メインフレームやUNIXからの移行について、廣川氏は「日頃から取り組んでいるが、さらに一段上の強力な推進プログラムを考えている」とコメントした。
また、レッドハットのソリューションを、Linuxや仮想化などの「インフラソリューション」、EDSやBRMSなどの「ビジネスソリューション」、その上に乗る「インダストリーソリューション」の3つの層に分け、それぞれの採用動向を紹介した。
最後に廣川氏は、レッドハットの提供する価値として、スピード、イノベーション、コスト削減の3つを提示。「世界標準のソフトウェアで、グローバルに出ていく企業を支援する」と語った。