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IIJ、“通年”外気冷却のコンテナ型データセンター実証実験を開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は8日、通年外気冷却を利用したコンテナ型データセンターモジュールの実証実験を発表した。コンテナ型データセンター「IZmo」を小型化した「co-IZumo」を新たに開発し、さらなる省エネ化に向けた実証実験を4月上旬より1年間実施する。

 IIJが従来採用していたコンテナ型データセンターモジュールはサーバーなどの機器を収容する「IZmo」と、その機器を冷却するための空調モジュールに分かれているもので、中~大規模なデータセンターにおける利用を想定したものだった。

 今回、外気冷却機能を内蔵した小型コンテナ型データセンターモジュール「co-IZmo」を開発し、実証実験を開始する。

 この実証実験により、以下のような効果が期待される。

 通年外気冷却による電力利用効率の最適化。現行のIZmoと空調モジュールでは夏期は冷房設備(チラー)、冬期は加湿器を利用し、pPUE(Partial PUE:モジュールごとのPUE)は1.17(年間平均実測値)を達成している。co-IZmoでは、チラーや加湿器を使わず、年間を通して外気のみで温度・湿度管理を目指す。これにより、pPUEを1.0台に下げられると予測する。

 また、必要な機能を1台のコンテナに収め、コンパクト化を実現。従来はIZmoと空調モジュールをダクトで連結し、室外機の設置にあたっては冷媒配管が必要だった。co-IZmoは1台の20フィートコンテナの中に必要なIT機器と空調機器をモジュールとして一体化して納めている。

 コンパクトで可搬性の高いco-IZmoが商用化されれば、これを顧客の敷地にIIJが設置し、小型で安価なオンプレミス型のプライベートクラウドを構築するといった需要にも対応できるとしている。

IZmoとco-IZmoの違い

(川島 弘之)