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Red Hat、pNFSに対応した「Red Hat Enterprise Linux 6.4」

Hyper-V上での実行パフォーマンスも向上

 米Red Hatは21日(米国時間)、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の最新版、「RHEL 6.4」の提供開始を発表した。

 今回の新版では、並列データアクセスに対応したpNFS(parallel Network File System)をサポートしているのが最大の強化点。pNFSは、NFS 4.1から追加された新たな仕様で、複数のストレージサーバーにストライピングされて保存されているファイルに対し、並行してアクセスできるため、クライアントでのI/Oの所要時間を短縮できるという。

 これによって、データの爆発的増加によるNFSの増設や、複雑なファイルシステムの管理の負荷増大といった問題を解決可能なほか、データベースアクセスなどのI/O負荷の高い処理のパフォーマンスも向上できるとした。

 また、アイデンティティおよびホストベースのアクセス管理により、セキュリティ機能を拡張。LinuxベースとActive Directoryベースの異種混合環境で相互運用が可能になっている。

 さらに、Hyper-V Linuxドライバを提供することで、Hyper-V上でゲストOSとして実行した際のパフォーマンスを向上させた。あわせて、VMwareと Hyper-Vに対するパラバーチャライゼーション(準仮想化)ドライバのインストールサポートも提供するため、これらの環境で導入時の作業負荷が軽減できる。

 管理面では、コントロールグループ(cgroups)が強化され、グループ間でマルチスレッドアプリケーションをスムーズに移行できるようにしたほか、Intelの新しいカウンタであるPMU(パフォーマンスモニタリングユニット)をサポートする、パフォーマンスモニタリングツールの強化も行われている。

(石井 一志)