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東京エレクトロンデバイス、米Pure StorageのSSDストレージを国内で販売

最大20万IOPS/平均遅延1msの高速ストレージ、仮想化やデータベース用途を想定

Pure Storage FlashArray FA-300シリーズ

 東京エレクトロンデバイス株式会社(以下、TED)は22日、米Pure Storageと販売代理店契約を締結したと発表した。これに伴いTEDでは、最大20万IOPSを実現するPure Storageの高速SSDストレージ「Pure Storage FlashArray FA-300シリーズ」(以下、FA-300シリーズ)を日本国内で販売する。なお、Pure Storage製品の国内販売代理店契約を結んだのは、TEDが初めてという。

 「FA-300シリーズ」は、HDDを搭載せず、SSDストレージを100%用いたプライマリSANストレージ。フラッシュメモリをストレージに利用する例は近年増えており、さまざまな競合製品が存在するが、HDDベースのストレージと比べた場合、「10倍高速で、スペースと電力を10倍効率化しながらも、汎用的なMLCタイプのSSDで構成されていること、インラインでの圧縮と重複排除を行うことにより、同等のコストで提供できる」(Pure Storageのスコット・ディーゼンCEO)点が特徴という。

 特徴のうち性能面では、最大20万IOPSのリード/ライト性能、最大10万IOPSのライト性能、平均1ms以下の低遅延を提供可能。ディーゼンCEOは、「こうした高速性を生かし、高速なIO性能が要求される、仮想化によるサーバー集約、分析系を中心としたデータベース、デスクトップ仮想化(VDI)といった用途で利用されるケースが多い」と、導入の傾向を説明する。

 さらにFA-300シリーズは、重要な業務を扱うプライマリストレージとして導入されることが多いため、フラッシュメモリに最適化された独自のRAID-3D機能を開発するなど、信頼性と可用性についても十分な配慮がされているとのこと。

 また、「SSDやその他のフラッシュメモリをHDDのキャッシュとして利用する階層型のソリューションと異なり、100%SSDで構成されているため、導入や保守が容易な点も強調できる。しかも、スナップショットなど従来のエンタープライズストレージと遜色(そんしょく)ない機能や信頼性を備えている」(TED CN事業統括本部 CNプロダクト事業部 ビジネスデベロップメント部の長尾圭輔氏)点もメリットとした。

米Pure Storageのスコット・ディーゼンCEO
FA-300シリーズの特徴

 ラインアップとしては、シングルコントローラの「FA-310」と、デュアルコントローラ(アクティブ-アクティブ構成)の「FA-320」を用意する。いずれも、物理容量が2.75TB、5TB、11TBの3モデルが用意されており、インターフェイスは8Gbps FCもしくは10Gigabit Ethernet(iSCSI)に対応する。

 価格はオープンだが、長尾氏によれば「圧縮・重複排除後のGB単価が1000円程度を目安に価格を設定する予定」とのこと。TEDでは平均で1/5程度に容量を圧縮できると想定しているので、GB単価は圧縮・重複排除前で5000円程度になる計算だ。ただしPure StorageのディーゼンCEOによれば、「一般的なデータベースで1/5、サーバー仮想化では1/8~1/10、VDIでは1/15~1/20程度を目安としている」そうで、ケースによっては、容量をより効率的に利用できる可能性もある。

 なおTEDでは、サーバー仮想化、データベース、VDIを検討するエンタープライズを中心に、ストレージのI/Oに課題を抱えるアプリケーションを持つデータセンター、大量のアクセス処理を行わないといけないWeb/Internet系企業、HPCなどを行う研究機関などに対しても販売を行っていく考え。

 TED CN事業統括本部 CNプロダクト事業部 ビジネスデベロップメント部の上善良直部長は、「まずは直販に重きを置いて市場を育てていくが、活性化した後はパートナーであるSIer、アプリケーションベンダー、国内主要メーカーなどを通じた二次販売も計画している。保守面では、委託会社とも連携し、24時間365日のオンサイトサポートを確実に提供したい」と述べている。

FA-300シリーズの主な適用範囲
FA-300シリーズのラインアップ

(石井 一志)