日立、環境配慮型データセンター「岡山第3センタ」を開設~西日本地区の主要拠点としてサービスを提供


岡山センタの外観(向かって左が第3センタ)

 株式会社日立製作所(以下、日立)は18日、岡山県内に3棟目となるデータセンター専用ビル「岡山第3センタ」を開設すると発表した。延べ床面積は約6500平方メートルで、サービス提供は11月1日より開始する。なおこのセンターの開設により、岡山のデータセンターは、日立の西日本地区で最大の拠点になるという。

 「岡山第3センタ」は、堅牢な建物構造やセキュリティ設備、運用体制を備えるデータセンター。地震や水害などの災害リスクが少なく、岡山県内でも特に堅固な地盤を持つ土地を選定し、直接基礎工法の免震構造を用いて建設されているため、地震時の予想最大損失比率を示すPMLでは、第三者機関から1.6%という高い評価を受けているという。

 また、電源設備は二重化されているほか、や指静脈認証装置などのセキュリティ装置も配備されており、日本独自のデータセンター規格「JDCCデータセンター ファシリティ スタンダード」のティア4に適合するなど、建物・設備の堅牢性および信頼性についての高い評価を受けているとのこと。

 さらに、日立の電力システム社やインフラシステム社、日立プラントテクノロジー、日立建設設計など、日立グループの各部門やグループ会社が一体となって進める環境配慮型データセンター事業の成果を結集。最新の高効率空調システムや無停電電源装置(UPS)など、データセンター設備と建物構造そのものに対する環境負荷低減を最適に組み合わせた、環境配慮型データセンターとしての側面も持つ。

 具体的には、日立プラントテクノロジーの天吊り型の冷媒自然循環式局所冷却システム「Ref Assist」を、日立グループのデータセンターに初めて全面適用しており、これによって、データセンターの空調消費電力の削減とサーバーラック設置スペースの有効活用を可能にした。

 さらに、熱環境の合理化と省エネルギー化の両立をはかるダブルスキンカーテンウォール、屋上遮熱塗料など、建屋レベルでも環境負荷低減に配慮した設計を行っているとのことで、データセンターのエネルギー効率指標である設計PUEは1.4を記録している。

 日立ではこのセンターを西日本地区の主要拠点として、クラウドサービス市場の成長・拡大へ対応するとともに、企業ニーズに応えるデータセンターサービスを提供していく計画。例えば、東日本地区の主要拠点である横浜のデータセンターと高速専用回線で接続し、日立統合管制センタによる運用サービスを提供したり、各地域に分散するデータセンター間を接続することで仮想統合し、各データセンター特有のサービスを利用可能にしたり、といった利用法を提案していく。

 加えて、国内のハブセンターとして、アジア地域を中心とした海外のデータセンターとのサービス連携を進め、企業のビジネス展開も支援するとしている。

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