ケンコーコム、AWSのクラウド環境上にSAP ERPを導入~本番環境での商用利用は国内初


 ケンコーコム株式会社は11日、Amazon Web Services(AWS)のクラウド環境上にSAP ERPを導入し、2012年8月より本格稼働させたと発表した。導入にあたっては株式会社NTTデータソルフィス支援を受け、SAP Business All-in-OneパッケージとNTTデータソルフィスのテンプレート「専門商社向けモデルシステム(BMT)」を利用したとのこと。なおAWSのクラウド環境上にSAP ERPを本格導入したのは、国内では初めての事例になるという。

 SAPでは、ソフトウェア導入の選択肢を広げるために、AWSクラウド上でのSAPソリューションの動作確認を進めており、2012年5月には、SAP Business All-in-OneソリューションのAWS上での稼働が認証されていた。

 一方のケンコーコムは2011年の東日本大震災を機に、安定した事業運営を行うため、サーバーシステムをオンプレミスからクラウド対応へ移行させており、2011年内にAWSへの移行を完了。あわせて、商品数・顧客数の増加に伴い拡大している業務の効率化と安定化に向け、企業全体を統合的に管理する基幹システムとして、SAP ERPの導入を進めていたが、そのプラットフォームとしてもAWSのクラウドを選定した。

 ケンコーコムによれば、クラウドプラットフォームを選択したのは、リスク分散・BCPという観点だけでなく、ケンコーコムの速いビジネススピードに対応する狙いもあったとのこと。同社社では、この導入により、一層の業務の効率化と安定化を図り、今後のさらなる成長・業容拡大にも迅速に対応が可能になったとしている。

 なおケンコーコムによるAWS上へのSAP ERPの導入は、SAP Business All-in-OneのAWSでの稼働認証後、本番環境における商用利用としては日本で初めての事例になる。

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