レノボ、法人向けThinkPad新製品。ThinkPad初のUltrabookも初公開


 レノボ・ジャパン株式会社は6月5日、法人向けノートPC「ThinkPad」のW/T/L/Xシリーズの新製品を発表した。6月5日より、法人向けに販売を開始する。

 新製品説明会では、サプライズとして14インチ液晶を搭載したThinkPad初のUltrabook実機も披露された。ただし、スペックは重量1.3kg台(1.3xkg)、14インチ液晶ということのみで発売時期も未発表だ。

 なお、ここでは新製品の強化ポイントなどをまとめ、新製品の仕様については別記事にまとめる。

本邦初公開のThinkPad X1 Carbon


キーボードを6列式に刷新。起動時間40%短縮など高速化で“ノマド時代”に対応

 今回の新製品からキーボードを一新。ThinkPad登場以来の「7列式キーボード」をやめ、「6列プレシジョン・キーボード」を全シリーズで採用する。6列式キーボード採用により、キートップの表面領域は従来比で約30%広くなり、隣り合うキーの間隔は約5倍になった。この変更によりミスタイプが軽減され、生産性向上が可能だという。ただし、これまでユーザーに支持されてきたキーを押した時の反発などの間隔は従来製品をそのまま踏襲する。

T430sと前機種T420sキーボードの比較改善されたキー形状6列式プレシジョン・キーボードのキーレイアウト

 また、W/T/XシリーズではCPUやGPUを安定動作させるため、放熱設計を強化した独自の「第6世代フクロウ ファン」を搭載。空流を約3割向上させ、集塵を減らすことでシステム温度を下げ、処理性能とシステムを安定させるという。このほか、W/Tシリーズでは新しいカーボンファイバーを採用。重量を増やさずに堅牢性を高めた。

 W/T/Xシリーズでは、マグネシウム合金製のフレーム「Thinkpad ロール・ケージ」を内蔵したモデルを設定。持ち運び時のたわみを抑え、マザーボードやパーツを破損から守る構造となっている。

 インターフェイスでは、全シリーズでUSB 3.0ポートとMini DisplayPortを装備。また、Bluetooth HIDエミュレーターも搭載し、ThinkPad Tabletのキーボードを、ThinkPadのキーボード/トラックポイント/タッチパッドで制御できる。T430sのi7モデルでは、ディスプレイやストレージ、ビデオキャプチャなど様々な対応デバイスをひとつのコネクタで接続可能なサンダーボルトに対応した。

 省電力機能にも配慮し、全シリーズでピークシフトに対応。電源オフ時に充電可能なPowered USBポートも搭載した。また、全シリーズのSSD搭載モデルで、スタンバイ状態が継続した場合、バッテリー駆動時間を約30日間に延長する「30日スタンバイ」機能を搭載した。

 ThinkPad T430sでは、チャージを優先的に行うことで、30分間で80%の充電が可能な「Lenovo RapidCharge」機能も搭載する。

 AV機能も強化し、T/W/LシリーズでNVIDIA Optimusテクノロジーに対応したほか、T/X/LシリーズでDolby Advanced Audio v2に、W/T430sシリーズではDolby Home Theater v4に対応した。

ハードウェア面での進化のポイントレノボが独自開発したマネージメントIC「ThinkEngine」ラピッド・チャージ



第6世代のCPU/GPU冷却システムW/T/Lシリーズでは、NVIDIA Optimous搭載モデルを設定T430s i7モデルでは、サンダーボルトを採用


起動やシステム再開時間を短縮、ビデオチャットの使い勝手を向上

 ソフトウェア面では、Windows 7搭載PCのためにレノボが開発したパフォーマンス最適化技術「Lenovo Enhanced Experience 3 for Windows 7」を法人向けに最適化して搭載。一般的なWindows 7搭載PCより平均40%速く起動する「Rapidboot」、複数のアプリケーションがインストールされた後でも初期出荷状態と同等の希望時間を維持する「BootShield」機能を装備する。

 ネットワークでは、ホット・スポット機能を搭載しており、ThinkPadでテザリングができる。また、スリープからの復帰時に無線通信のアクセスポイントへの接続時間を大きく短縮した。ドライバーの改善により、無線LANアクセスポイントへの接続を3秒以内に抑えた。スリープからの復帰についても、スリープ時に現在はあまり電力を消費しないWANアダプタをオン状態にしておくことで、25秒以内での接続復帰が可能になった。

 そのほか、内蔵カメラで顔を追跡し、常に人の顔をセンター表示できる「フェイストラッキング」、内蔵カメラで顔を追跡し、その人のいる方向からマイクで集音する「ボイストラッキング」機能も搭載した。ビデオチャット中に自分のデスクトップ画面を共有する機能も備え、ビデオ会議を活用する企業が増加する中、ワーキングスタイルの変化にも配慮した。

ソフトウェアの改善ポイントRapid Bootの仕組みBoot Shieldの仕組み


ThinkPadでテザリングが可能にVoIPソフト経由でデスクトップ共有が可能に航空機内など、電力の少ない環境で消費電力を65Wまで制限し駆動時間を伸ばすモードを搭載


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