TISとインテック、携帯電話を用いて本人認証の信頼性を高めるサービス


 TIS株式会社と株式会社インテックは19日、携帯電話の電話番号を利用して本人認証の信頼性を高める「携帯電話認証サービス」を発表した。従来の携帯電話(フィーチャーフォン)、スマートフォンのいずれにも対応するほか、クラウドサービスとして提供する。

 「携帯電話認証サービス」は、携帯電話の番号を利用し、Webサイトなどでの会員登録時に本人認証の信頼性を高めるサービス。現状の多くのWebサイトでは、固有のメールアドレスと簡単な個人情報を入力するだけで会員登録を行えるが、複数のメールアドレスを保有する1人のユーザーが複数のアカウントを作成できてしまうため、本人認証の信ぴょう性に問題があった。しかしSNSや会員制Webサイトなどがこのサービスを利用すると、実在する電話番号とひも付いていないアカウントの登録を防止できるため、なりすましやステルスマーケティングなど、サイトの信頼性を低下させる行為を抑制できる。

 技術的には、TISとインテックが独自に開発した、電話とWebのトランザクションをひも付けるサービス「Call クレヨン」の「PhoneCookie」技術を応用。ユーザーがWebサイトの会員登録時に入力した携帯電話番号が、確実にそのユーザーのものであることを担保するという。

 具体的には、Webサイト登録者が情報を入力し、そのサイトにある「電話認証」をクリックすると、認証用の電話番号が表示される。次に、登録者が認証用電話番号に電話をかけ、登録しようとしている電話番号との照合が行われ、登録者認証が完了する、といった手順になる。

 また提供にあたっては、既存のWebサイトにAPIを組み込むクラウド形式で提供するため、簡易に本人認証システムが構築できる点が特徴。さらに、認証用電話番号表示にフリーダイヤル番号を利用する、SMSを利用して認証する、システムからユーザーに架電して認証をする、といったオプションも利用できる。

 価格は、月額固定費と電話料金の実費、および認証回数あたりのシステム利用料での提供となり、初期費用が50万円から、月額費用が10万円から。10営業日程度で導入が可能としている。

 なお、このサービスはすでに、ディー・エヌ・エーが運営するショッピングサイト「ビッダーズ」で2011年7月から先行導入されており、取引の信頼性向上に貢献しているとのこと。今後は、金融・保険業界などを主な対象としてサービスを展開する計画で、2012年度に10社、3年後には50社程度の導入を見込んでいる。

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(石井 一志)
2012/4/19 15:25