「会計年度2012年度は売上10億ドルへ」、Red Hatが現況を報告


 レッドハット株式会社は12日、米Red HatでRed Hat Enterprise Linux(RHEL)事業を統括する副社長兼プラットフォーム事業部門長ジム・トットン氏の来日にあわせ、記者説明会を開催した。

 レッドハット日本法人 代表取締役社長の廣川裕司氏は、ワールドワイドでのRed Hat社の売上などの動向を報告。会計年度(FY)2012年度第3四半期(2011年9〜11月)の売上が前年同期比で23%増、純利益が46%増と好調であったと説明した。また、FY2011年度の売上が9億930万ドルであり前年度比22%増であったことから、2012年2月末までのFY2012年度は10億ドルを超えるだろうとの見込みを明らかにした。

 そして、「2012年はOSSの時代」として、2011年を大きく上まわる成長を狙うとの抱負を語った。

レッドハット株式会社 代表取締役社長 廣川裕司氏会計年度(FY)2012年度第3四半期の動向

 ジム・トットン氏は、RHELを中心とする同社製品の動向を説明した。

 RHEL 5系では現在RHEL 5.8がβ版の段階で、開発が活発に行われていることを説明。変更点として、次世代CPU対応や、PCI-e 3.0対応、仮想化技術KVMのパフォーマンス改善、US Government Configuration Baselineなどのセキュリティ対応、電力効率の改善などを紹介した。

 また、最新製品ラインであるRHEL6系のRHEL 6.2についても、仮想化やハードウェア対応、Active DirectoryなどのID管理、pNFS(Parallel NFS)などのファイルシステム、高可用性サポートなどを紹介した。

 そのほか、Red Hatの取り組みとして、RHELの成功を足がかりにミドルウェアのJBossや、クラウドのOpenShiftとCloudForms、昨年買収した分散ストレージ技術のGlusterFS、管理製品のSatelliteなどにも力を入れていくことを説明。さらに、現在β版の段階にある仮想化環境管理製品のRed Hat Enterprise Virtualization(RHEV)3.0についても、管理性や成熟度などが向上したと紹介し、「まもなく登場する」と語った。

米Red Hat 副社長兼プラットフォーム事業部門長 ジム・トットン氏Unix系OSに関するユーザー企業調査でRHELが1位となったとするGartnerの調査
RHEL 5.8βのハイライトRHEL 6.2のハイライト
関連情報
(高橋 正和)
2012/1/13 06:00