国内クラウドビジネスを促進する「ニッポンクラウドWG」発足へ


 ニフティクラウドワーキンググループは17日、ニュートラルな立ち位置でクラウドビジネスを促進する「ニッポンクラウドワーキンググループ」として、国内主要IaaSベンダー協賛の下、11月1日より活動を新たにすると発表した。

 ニッポンクラウドワーキンググループでは、クラウドビジネスとビジネスユーザーをシームレスに接続する「グランドクラウド」を目標に掲げ、国内クラウド上で連携する純国産アプリケーションまたはオープンソースアプリケーションのプラットフォーム「サムライクラウド」を軸に、ISP/ISV/SIerが価値のある製品・サービスを提供できる環境構築を支援する。

 国内外で多くのクラウドサービスがリリースされている中、これまでのプロバイダ・ソフトウェア・サービスの在り方が変動し、ビジネスユーザーにとって選定の判断基準が分かりづらくなっているという。今回の活動では、製品・サービス選択の柔軟性を維持したまま、より選定の基準を平準化し、本当の意味でクラウドビジネスの発展に寄与する活動を目指す。

 協賛企業は、GMOクラウド株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、株式会社インターネットイニシアティブ、ニフティ株式会社、株式会社IDCフロンティア、カゴヤ・ジャパン株式会社、株式会社エーティーワークス、株式会社リンク、スリーハンズ株式会社、株式会社NTTPCコミュニケーションズ、NECビッグローブ株式会社。ほか37社の会員企業が参画している。

【記事更新 18日0:00】

NCWG会長を務める、北斗システムジャパンの小堀吉伸氏

 17日、都内で設立発表会が開催された。ニッポンクラウドワーキンググループ(NCWG)会長を務める、北斗システムジャパンの小堀吉伸氏が設立の経緯と趣旨を以下のように説明した。

 「もともとはニフティクラウドWGとして1年前に設立されたもの。国産アプリの統合プラットフォームとして“サムライクラウド”の実現を目指しており、各アプリの“ID連携”“データ連携”“UI連携”を3本柱に活動してきた。さらに今回、技術的な取り組みにとどまらず、ビジネスモデルの確立まで活動を強化することとなり、よりニュートラルな立ち位置が望ましいということで、NCWGに刷新した」。

 NCWGの活動内容は、「サムライクラウド部会」と、ビジネスモデルの確立を目指す「クラウドビジネス推進部会」による「部会活動」と月次の「定例会合」。

サムライクラウド部会長・オレガ執行役員の藤田浩之氏

 サムライクラウド部会では、今までどおりプラットフォームの実現を目指す。サムライクラウドは、ID/データ/UI連携が実現された環境で任意のアプリを選択・組み合わせて利用できる統合プラットフォームで、クラウドを統合するクラウド「グランドクラウド」と呼んで、機能的な実現を進めている。

 現在、連携するアプリは20種程度。「1個1個のアプリはリッチでなくてもよくて、任意のものを選んで組み合わせることでリッチになればいい」(サムライクラウド部会長・オレガ執行役員の藤田浩之氏)との考えで、今後1年間で300アプリまで拡充を目指すという。

 一方のクラウドビジネス推進部会では、アライアンスやビジネスモデルの確立を担う。「NCWG自体でビジネスを発信するのではなく、あくまで事業者などが自社のビジネスに参考にできるビジネスモデルを確立する」(小堀氏)のが目的となる。対象としては、一般市場のほか、教育クラウド、医療クラウド、震災対応クラウドなどを想定する。

 今後の活動としては、2012年1月からオープンセミナーを開催。同年2月からサムライクラウド対応ガイドライン・APIの公開などを始める予定。

関連情報