「VNXeはシンプル・効率的・お買い得」~EMCジャパンが中小向けストレージビジネスの本気度をアピール


VMXe 3100(左)とVMXe 3300(右)
VNXeシリーズの特長

 EMCジャパン株式会社は23日、中小企業を主な対象にした統合型ネットワークストレージ「VNXeシリーズ」についての説明会を開催。「シンプル」「効率的」「お買い得」といった特長を取り上げ、中小企業向け市場にも本気で取り組む姿勢を示した。

 4月11日に日本向けの提供が正式発表されたVNXeシリーズは、CIFS/NFSによるNAS機能と、iSCSIのIP SAN機能を兼ね備えながらも、最小構成で100万円を切る価格が設定されており、EMCジャパンが中小企業市場に食い込むための戦略的な製品となる。

 よく言われるように、企業内で取り扱われるデータ量が急速に増える中で、中小企業においてもストレージ容量は急成長している。しかしながら、専任の管理者がいないことが多い中小企業では、複雑な製品はとてもではないが扱いきれないのが現状だ。

 VNXeシリーズが持つ1つ目の特長「シンプル」は、こうした中小企業でのニーズを踏まえて提供されるもので、Web GUIを持つ管理ツールの「Unisphere」では、直感的なわかりやすいインターフェイスを提供。初期設定もウィザードで行え、「最低限の作業なら10分で終わる」(プロダクト・ソリューションズ統括部 シニア・テクノロジー・コンサルタントの吉田尚壮氏)ほどやさしいという。

 また、実際の製品写真と障害個所をリンクさせて表示するなど、きれいなグラフィックを多用し、視覚的にわかりやすくしているほか、ストレージ専門用語を廃し、「ネットワークやサーバーを理解している方が難なく操作できるよう配慮してメニューを作った」(吉田氏)ことで、管理者にかかる負担を最小限にしている。

 中でも一番の特長は、アプリケーションごとにプロビジョニングのためのウィザードを用意していること。このウィザードなどを用いると、指示に従って数ステップ進めるだけで、そのアプリケーションに最適化された環境を簡単に作成することができ、現在は、VMware、Hyper-V、Exchange Server、ファイル共有(CIFS/NFS)、iSCSIボリュームの5つが用意された。

 これについて吉田氏は、「本来、ストレージにはアプリケーションごとにさまざまな設定が必要だが、VNXeシリーズでは、ストレージがすべてやってくれるので、専門知識がなくても最適な構成が可能。スナップショットやレプリケーション、シンプロビジョニングといった設定も容易に行える。管理者は、退職などで変わっていくのが普通だが、ポリシーさえ決めておけば、誰でも同じように設定が可能だ」と説明し、そのシンプルさをアピールした。

使いやすいGUIによる管理ツールを用意アプリケーションに最適化されたウィザードで、容易なプロビジョニングを支援する
写真を用いて、障害個所がどこなのかを直感的にわかるようにするというウィザードの画面例

 2つ目の特長「効率的」では、CIFS/NFSとiSCSIを一台でサポートできるので、ストレージ統合を効率的に行えるとしたほか、ファイルベースの重複除外と圧縮を搭載しているため、ストレージ容量の効率化も同時に実行できる点を強調する。

 また最後の特長「お買い得」では、最小構成で100万円を切る価格ながら、このような重複除外と圧縮、シンプロビジョニング、管理ツールなどをすべて標準機能として提供されるので、オプション提供がほとんどの他社製品と比べて優位にあると説明した。

 なおラインアップとしては、下位機の「VMXe 3100」(シングルコントローラ・デュアルコントローラ)と、上位機の「VMXe 3300」(デュアルコントローラ)を用意しており、VMXe 3300の場合で最大120台までHDD数を拡張できる。想定価格は、2TB ニアラインSAS HDD(7200rpm)を6台搭載したVMXe 3100のシングルコントローラ構成で、おおよそ110~115万円程度になるとのこと。

 「直販や大手SIerなどを経由する通常の当社製品と異なり、新しい領域に踏み込むための戦略的な製品に位置付け、VMXeシリーズはすべてディストリビュータ経由での販売となる。すでに、導入や運用のサポートはそうしたディストリビュータから提供されているほか、当社としても、二次店などにトレーニングを提供するなど、支援体制を提供。拡販に務めていきたい」(マーケティング本部長の糸賀誠氏)。

プロダクト・ソリューションズ統括部 シニア・テクノロジー・コンサルタントの吉田尚壮氏マーケティング本部長の糸賀誠氏
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