TIS、IaaS/PaaSサービスの大規模向け機能を拡充~仮想マシン設定などの再利用を可能に


 TIS株式会社は15日、企業向けクラウドサービス「TIS Enterprise Ondemand Service」において、大規模システムでの活用を促進する機能を追加したと発表した。あわせて、利用モデルの拡充も行っている。

 TIS Enterprise Ondemand Serviceは、企業向けに提供される、IaaS/PaaS型のクラウドサービス。今回はこのサービスに、保存した環境設定の再利用をいつでも容易に行える「カスタムテンプレート機能」が追加されたほか、商用ミドルウェアを必要最低限のライセンス費用で使用できる「商用ミドルウェア対応モデル(Limitedモデル)」を新たに提供する。

 カスタムテンプレート機能では、ユーザーがTIS Enterprise Ondemand Serviceのポータル画面上で環境設定やアプリケーションのインストールを行った仮想マシンを、テンプレートとして保存し、いつでも再利用できるようにする。従来は同一の環境設定やアプリケーションのインストールを行う場合でも、台数分の作業工数が必要になったが、この機能を利用すると、簡単に複製を行えるので、例えば、テスト環境構築時に統一した設定の仮想マシンを幅広く利用する、システムのスケールアウトを短時間に実施する、といった利用が可能になるという。

 また、テンプレート化した仮想マシンの設定情報のみを専用ディスクに保存すれば、仮想マシンそのものを稼働させ続ける必要がなくなるので、仮想マシン自体の使用料は発生せず、サービス利用コストの最適化が図れるとのこと。

カスタムテンプレート機能の利用例

 一方の商用ミドルウェア対応モデル(Limitedモデル)は、ミドルウェアのライセンスコストを適正化するためのプラン。物理CPU数に依存したライセンス形態を採用する、一部の商用ミドルウェアでは、製品がインストールされたサーバーのすべてのCPUがライセンス課金の対象になるものがある。こうしたミドルウェアを、複数の物理サーバー上で仮想マシンが稼働するクラウドサービスに適用すると、ユーザーがミドルウェアを利用する環境以上のCPU数がカウントされてしまい、多大なライセンス費用が発生する場合があったという。

 しかし商用ミドルウェア対応モデル(Limitedモデル)では、物理サーバーのCPU数を最小限に固定しているので、ユーザーがこのようなミドルウェアを利用する際に、そのライセンスコストを節約できるため、システム運用コストの最適化が図れるとしている。

 今回はこのほか、1カ月単位、1GBあたり40円/月(税別)で提供しているネットワークストレージサービスに、新たにバックアップ/リストア機能を追加し、0.5TB単位で最大15TBまでのバックアップを行えるサービスを追加。さらに、関西地区の最新データセンター「心斎橋gDC」においても、ロードバランササービスを利用可能にしている。価格は最小モデルで2万1900円(税別)/月から。

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