大林組、EMCの重複除外製品「Avamar」でデータ転送量を9割削減


 EMCジャパン株式会社は1日、株式会社大林組が重複除外ソリューション「Avamar」を導入したと発表した。約2時間のバックアップ時間を約20分に短縮し、データ転送量を9割以上削減できたという。

 大林組は、2009年に複数のプロジェクトで共用できるストレージ導入を検討することになり、それにあたってバックアップ体制をどう確立するかが課題だった。従来、テープによる遠隔地バックアップや、特に重要なデータに関してはリモートサイトへのレプリケーションを行うなどしてデータを保護していた。ところが、新しいストレージを導入するにあたって、バックアップにも同等のストレージが必要となり、またネットワーク帯域も拡張しなければならず、多額のシステムコストを覚悟しなければならなくなった。

 これを回避するため、データ転送量そのものを削減するデータ重複除外ソリューションに着目。社内のグループウェアやデータベースのデータを使って検証したところ、Avamarの性能が好結果を出したため、採用を決めたとする。

 主な評価ポイントは、Avamarの重複除外によりデータ転送量の9割を削減できたことと、リストアも1回の操作で希望日時のデータが簡単に復元できたこと、バックアップ時間を2時間から20分程度に短縮できたこと。こうした効果から、従来のストレージ環境を大きく変更することなく、手間のかかるテープも廃止できて、効率的なデータバックアップ体制を整えることに成功したという。

 実際の利用が始まったのは2010年4月。まずは現場サーバーデータから始め、8月からは仮想化プロジェクトでもAvamarをベースとしたD2Dデータバックアップ体制を確立。12月にはプロジェクト管理システム「OC-Project」にも適用し、2011年1月にはグループウェアにも適用予定と、順調に対象範囲を広げている。

 今後は、UNIXサーバー環境やクライアント環境のデータバックアップにも、Avamarを1つの選択肢として、環境を整備していく意向も見せている。

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