NTTデータ、OSSの運用管理ソフト「Hinemos 3.2」~大規模環境に対応


ノードマップオプション画面

 株式会社NTTデータは30日、オープンソース統合運用管理ソフトの新版「Hinemos Ver.3.2」を公開した。

 Hinemosは、複数のコンピュータを単一のコンピュータのようなイメージで運用管理できるOSS。ユーザーが運用目的ごとにコンピュータをグループ登録し、グループに対して監視管理、ジョブ管理、性能管理、一括制御を行う機能を備える。

 新版では、監視状況をグラフィカルに表示する「ノードマップオプション」を追加。障害が発生したサーバーの設置場所などを直感的に把握可能とした。

 大規模環境にも対応。Hinemosマネージャプログラムを改善することで、Ver.3.1比で約3~6倍のサーバー群を1台のHinemosマネージャで管理可能とした。仮想環境でも、仮想マシンの増加により複数のHinemosマネージャによる分散管理が求められた際に対応できるよう、Hinemosマネージャの最低必要メモリ容量を1GB(Ver.3.1では2GB)に削減した。Hinemosマネージャのリソース消費量を抑えられるので、物理メモリの有効活用が可能となる。

 運用効率化としては、Hinemosクライアントを用いたGUIによる制御とは別に、外部からHinemos制御APIを使用して、Hinemosを外部プログラムから制御可能とした。これにより、計画停止時に一時的に管理対象外としたノードに対する管理対象への復帰操作忘れを防止するなど、ミスのない運用を実現する。

 Hinemosで監視設定を行う際に手順を示したURLを設定する「障害対処運用手順呼び出し機能」も搭載。即座に対処手順が呼び出せるため、障害復旧の所要時間を短縮できるとしている。

 また、監視対象のIT機器で一時的にリソースが逼迫(ひっぱく)しても、しばらくすると自然と復旧する場合があるため、このような一過性の通知を抑制する設定を可能にした。対処不要なリソース逼迫に無駄な確認時間を費やさないで済むという。

 このほか、ユーザーからの多数のフィードバックを新版に反映しているとのこと。

 Hinemosは、ソースコードおよび実行バイナリをオープンソースのライセンスであるGNU General Public License (GPL)で公開するほか、多数のパートナーより有償製品としても提供される。NTTデータでは、さまざまなシステム要件を満たすため、今後も開発を進め、一層の普及を図りつつ、オプションの提供も含めたHinemosパートナープログラム全体で、年間3億の売り上げを目指す考え。

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