2017年の国内データセンターサービス市場規模は前年比7.2％増の1兆1780億円に、IDC Japan調査

　IDC Japan株式会社は5日、国内データセンターサービス市場の予測を発表した。2017年の国内データセンターサービス市場は、前年比7.2％増の1兆1780億円になると予測している。

　国内データセンターサービス市場については、2016年～2021年の年間平均成長率は8.1％で、市場規模が1兆円を超えても成長率上昇が継続。2021年の市場規模は1兆6230億円に達すると予測している。

国内データセンターサービス市場 売上額予測：2016年～2021年

　こうした成長の加速は、クラウドサービスの利用拡大が大きく寄与しており、特にアマゾン、グーグル、マイクロソフトなど、いわゆるメガクラウドサービスの利用範囲を、国内企業／団体が積極的に拡大させていることが要因になっているとしている。

　今回の調査では、国内データセンターサービス市場を、顧客が所有するIT機器を事業者データセンター内に設置して運用する「コロケーション」、クラウドサービスによって提供されるホスティングの「クラウドデリバリーホスティング」、共用レンタルサーバーや専用サーバーなどクラウド型によらない「従来型ホスティング」の3つのセグメントに分けて市場予測を行っている。

　2017年の市場においては、クラウドデリバリーホスティングが26％を占める見込みだが、その後同サービスの市場は急速に伸び、2021年には比率は45％に達し、国内データセンターサービス市場の中で最大のセグメントになると予測している。

　クラウドサービス利用拡大による市場成長の加速に加え、コグニティブ／AIおよびIoTといった、まったく新しいタイプのデータ処理のニーズが、データセンターサービスのさらなる成長を促進する可能性があると説明。IDC Japan ITサービスのリサーチマネージャーである伊藤未明氏は、「こうした新たな市場のダイナミズムに対応するため、SI事業者／IT ベンダーではハイブリッドクラウドや、デジタルトランスフォーメーション（DX）指向型DCなどの成長分野に注力することが重要である」と分析している。