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清水建設とNTTテクノクロスが実証実験、IoTでオフィスの使われ方を“見える化”

 清水建設株式会社とNTTテクノクロス株式会社は29日、IoT基盤とビックデータを活用し、オフィスの使われ方を見える化する共同実証を実施すると発表した。期間は2017年9月~2018年3月までの7カ月間を予定しており、NTTテクノクロスの横浜事業所(神奈川県横浜市)において行われる。

 今回の取り組みでは、清水建設が開発した「施設内IoT基盤システム」と、NTTテクノクロスが取り扱うのデータ解析・見える化システム「Yellowfin」を活用。施設内IoT基盤システムを介してIoT無線センサーが計測した、人やモノの動きに関するデータを集積してビッグデータ解析を実施し、Yellowfinにより解析結果を見える化する。またデータ解析には、ビックデータを効率よく扱えるオープンソースソフトウェアの検索エンジン「Elasticsearch」を採用した。

 使用するIoT無線センサーは約50台で、打ち合わせスペースの机や階段、通路には人感センサーを、いすには振動センサーを設置。また、トイレの各ブースにはドアの開閉センサーを設置し、各執務スペースの利用人数や利用時間帯、利用頻度などの各種データを計測して見える化する仕組みだ。

システム構成

 例えば、打ち合わせスペースの使われ方については、よく利用される時間帯や曜日、1回の打ち合わせにかかる時間、机やいすの利用頻度などをグラフィカルに表示する。

 NTTテクノクロスでは、この結果を踏まえ、打ち合わせの曜日や時間帯を設定したり、スペースの過不足を見直したりすることで、オフィスの使い方やあり方の改善による生産性向上を図るほか、働き方改革につなげていくとしている。

見える化の画面例

 またNTTテクノクロスは、今回の実証実験によりElasticsearchのデータをYellowfin上に取り込んだIoTデータ分析の適用検証を行い、案件でのIoTソリューションへの普及展開、販売促進に取り組むという。

 一方の清水建設は今後、施設内IoT基盤システムを活用して、オフィスのレイアウト変更や施設の改修など、オフィスビルの効率的な運営管理のあり方を提案するとともに、人やモノの動きと連動した、新たなビル管理システムの構築を目指す考えだ。