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日本航空がアカマイの「Bot Manager」を採用、予約サイトの迷惑ボットを解消して運用コストを約6割削減

 アカマイ・テクノロジーズ合同会社(以下、アカマイ)は23日、日本航空株式会社(以下、JAL)がアカマイのボット対策サービス「Bot Manager」を採用し、トラフィックの8割以上を占める迷惑ボットの問題を解消したと発表した。

 JALでは、ウェブサイトで空席情報や運賃情報を含めた航空券の予約システムを提供しており、サイトでは空席照会や座席予約をすると、外部予約エンジンサービスへのリクエストが発生し、その量に応じてJALへの課金が発生する仕組みになっている。

 サイトを通じた航空券の売上が伸びる一方で、価格比較を目的として空席や運賃情報を照会するだけで購入に直結しないボットによるアクセスも増加し、外部に支払う課金が大きな負担となっていた。JALでは、さまざまな対策を施したが、ボット側が対策を察知してアクセス元を次々に変えるよう進化したため、効果は限定的だった。このため、アカマイのBot Managerを導入し、ボットの制御に取り組んだ。

 Bot Managerは、ウェブサイトにアクセスする多様な種類のボットを効率的に管理するサービス。良性ボットと悪性ボットを識別するポリシーや、悪性と判断したボットに対する対応を柔軟に設定することが可能。また、単にブロックするだけではなく、代替サイトから擬似回答するなど、ボットの性質に応じて最適な対処を実施し、ボットトラフィックがビジネスとITに与える影響を適切に制御する。

 JALでは、試用期間に蓄積した膨大なログをアカマイが分析し、ボットの挙動を確認しながらチューニングを繰り返してボットの検知精度を高めていくことで、全アクセス数の約86%のトラフィックをボットが占めていたことを把握できたと説明。さらに、ボットにより発生していた無駄なリクエストが無くなった結果、外部サービスの課金を59%削減することに成功し、数年来の課題を解決できたとしている。