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Webサイト訪問者の行動から最適なアクションを自動実行、富士通のマーケティングソリューション「Sitebooster」

 富士通株式会社は8日、デジタルマーケティングに関する製品・ソリューション体系「FUJITSU Digital Marketing Platform CX360」において、Webサイト訪問者の興味関心に合わせ、最適なアプローチの自動実行を可能にするSaaS「FUJITSU Intelligent Data Service Sitebooster」(以下、Sitebooster)を提供すると発表した。同日より販売を開始している。

 従来のWebサイトでは、訪問者が過去にそのWebサイトを訪れた際のCookieなどから属性を判断し、属性に合わせてWebサイト上でのアプローチの最適化を行ってきたが、初回訪問の場合は、自社のWebサイト単独では訪問者の属性が分からず、画一的な対応になってしまっていたという。

 しかし富士通では、画面のスクロールの仕方や特定画面での滞留時間といった訪問者の行動に着目。会員登録や購買、ほかのWebサイトへの移動など、訪問者の行動ログを富士通のAI技術「Human Centric AI Zinral(ジンライ)」で機械学習させることにより、訪問者の属性情報ではなく、行動特性をもとに最適なアプローチを自動実行できる「Sitebooster」を開発した。

 「Sitebooster」では、機械学習によって訪問者の興味関心を把握した上で、Webサイト側が期待する、商品購入や会員登録といった行動へとつなげるための最適なアクションを、適切なタイミングで自動実行可能。Webサイトを運営する企業側では、事前に用意されている、自動実行させたいアプローチのシナリオテンプレートから必要なものを選択し、自社のWebサイトに専用のタグを設定するだけで利用できる。

 テンプレートは例えば、Webサイト上の特定領域を長時間見ている訪問者に対して、キャンペーンサイトへ誘導するコンテンツをポップアップ表示する、といったものを利用可能だ。またコンテンツ表示などのアクションを行うタイミングは、機械学習を重ねることによって自動で最適化されるため、Webサイトの運用担当者の作業負担を抑えながら訪問者へのアプローチを行える点もメリットとした。

 なお「Sitebooster」と、顧客起点でのリアルタイムなマーケティング施策実行を支援するソリューション「eXperience Data Platform(XDP)」を連携させると、訪問者の詳細な属性も踏まえた、よりきめ細かなアプローチを実現するとしている。

 「Sitebooster」の価格(税別)は、初期費用が5万円、月額費用が10万円から。富士通では、2020年度までに300社への販売を目標としている。