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東洋ビジネスエンジニアリング、熟練技術者のノウハウ共有などを目的としたVR学習システムを提供開始

 東洋ビジネスエンジニアリング株式会社は、熟練技術者のノウハウ共有などを目的とした、視線追跡機能付きヘッドマウントディスプレイ(HMD)と360度カメラを活用した仮想現実(VR)学習システム「mcframe MOTION VR-learning(以下、MOTION VR-learning)」を7月25日から提供開始する。

 MOTION VR-learningは、設備の稼働状況や計器のチェックといった、固定ポイントでの確認作業を学習するためのシステム。仮想空間上の教材は、仮想空間の元となる情報を作成するための360度カメラと、仮想空間を映し出すためのHMDを使い、ユーザー自身が簡単に作成できる。

 学習者は、熟練技術者のノウハウが詰め込まれた教材を再生、演習、確認しながら学習を進めることができるほか、教育担当者は、学習者の視線の動きを、その順番や所要時間の情報をもとに熟練技術者の手本と比較することにより、学習成果を評価できる。

 学習すべき確認作業場所を360度カメラで撮影するだけで、教材で使用する仮想空間に必要な準備作業は終わり、システムが撮影した静止画像から仮想空間を自動生成する。この作成された仮想空間の中で、HMDを装着した熟練技術者が実作業と同じ動作を行いながら、確認ポイントを設定。必要に応じて、各ポイントでの確認方法、注意点、確認手順などに関する指導コメントをテキスト情報として追加すれば、教材の作成は完了する。

 作成した教材で、学習者は熟練技術者の視線の動きをPC画面上で学び、次に、HMDを装着して仮想空間に入り、複数のポイントをたどりながら学んだ視線の動きを実践し、復習する。指導コメントを隠した演習により、習得状況をテストすることができる。また、学習者が演習したときに記録された確認作業の順番や所要時間などのデータをもとにして、学習成果を評価できる。

 MOTION VR-learningは、熟練技術者の視線を見える化し、視線を形式知化することで技術伝承に使うことが可能。3次元モデルを作成することなく、誰にでも簡単に短時間で仮想空間上に学習場面を作成することができることから、工場、発電所、建設現場での点検作業、航空機、鉄道での安全確認、医療、災害救助での適切な判断といった学習のために、再現困難なシーンで活用できるとしている。

 教材の作成には、システムがインストールされたPCと、HMDおよび360度カメラが必要。学習時には、システムがインストールされたPCとHMDが必要となる。価格は、1インストール100万円(税別)から。PC、HMDや360度カメラは含まれない。