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NTTデータ、AIを活用して物流業務の最適化を目指すコンサルティングサービス

 株式会社NTTデータは、最新のディープラーニング技術を取り入れた「物流画像判別AIエンジン」を開発したと発表した。また、同エンジンの検証などによって得た知見を生かし、「物流業務変革コンサルティングサービス」を6月1日より提供開始する。

 今回開発されたエンジンでは、世の中に流通する多様な荷物の荷姿、寸法、取り扱い、汚れ、破損の有無など、最大1000種類の特徴を画像から自動的に判別可能。

 このエンジンを利用して、鈴与ならびに佐川急便の協力のもと、さまざまな荷物の判別や自動仕分けに対する有用性を検証したところ、1)AIの識別能力の強み・弱みを生かした、精度向上に寄与するクラス設計や、2)効率的に精度を上げるためのデータの作成と加工、3)前処理AIモデルを現実業務へ適用した際に生じるギャップを分析することによる、適切な改善方策の立案、といった知見・ノウハウを蓄積できたという。

 NTTデータによれば、倉庫の入庫検品、仕分け、積み降ろし業務のロボット化に役立てられるほか、将来的には他分野にも適用が可能とした。

 一方、「物流業務変革コンサルティングサービス」は、このエンジンの開発・検証で得られた知見などを体系化したメニューで、現状では人手に依存している物流業務の自動化・最適化に向け、AI技術をはじめとしたデジタル技術を適用し、現場業務の変革を支援するとのこと。

 具体的には、「物流デジタル化基本構想」として、デジタル技術を活用して業務プロセス変革を起こすためのコンサルティング、センサー/ロボット稼働情報を活用し、生産性や収益性をモニタリングするKPI構想策定などを提供。

 また、ロボティクスが導入され、ヒト/ロボット混在となった物流現場におけるピッキング動線・棚配置、要員計画、配車計画の最適化を行う「デジタルロジスティクス業務コンサルティング」を用意しており、AI/ロボティクスなどを活用した積み下ろし、入出荷検品、仕分け、棚卸しの自動化を支援する。

 さらに、センサー/ロボット情報を一元的に集約し、分析するプラットフォームのシステムアーキテクチャの設計・構築と分析を行う「デジタルロジスティクスIoTプラットフォーム」をラインアップした。

 NTTデータは、物流業務におけるAIの導入方法論を活用し、コンサルティングサービスと物流画像判別AIエンジンなどを含むシステムの提供を通じて、2020年度末までに累計100億円の売上を目指すとしている。