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NTT Com、企業向けモバイルネットワークサービスのIoT対応機能を拡充

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は13日、企業向けモバイルネットワークサービスにおいて、IoTで利用する通信を一元的・効率的に管理運用するための機能を拡充し、6月から提供すると発表した。

 NTT Comでは、IoTにおけるモバイルネットワークの利用には、数多くの機器やセンサーの管理を行う必要があったり、通信状態の確認やコントロールを管理者が遠隔で行う必要があるなど、人による利用とは異なる特有のニーズが存在すると説明。また、料金体系やセキュリティレベルについても、IoTならではのニーズが存在することを踏まえ、IoTに最適な通信プラットフォームとして利用できるよう、機能拡充を行うとしている。

 NTT Comが有するSoftware Defined技術により、多数の機器による通信の一括管理や、柔軟な設定変更ができるポータルサイトを提供するほか、APIの提供によりさまざまな機能やアプリケーションとの連携を実現する。これにより、IoTを利用する企業や、自らIoTサービスを提供する事業者が、IoTに必須の要素であるモバイル通信をより効率的かつ効果的に活用できるとしている。

 複数機器の設定については、ポータルサイトから顧客自身でSIMカードや端末の発注、料金コースの変更、通信量の確認、通信セッションの切断などを行うことができる機能を提供。その他にも、通信量がしきい値を超えた場合のメール通知などの機能を備え、通信の管理稼働を削減する。これらの管理機能はAPIでも提供するため、導入する企業のシステムと連携させることによる管理の自動化も可能となる。

 IoTに適した料金体系としては、利用者が自らのタイミングで課金開始をコントロールできるようにする。IoTにおいては、通信機能を取り付けた機器を設置しても、その瞬間から機器を稼働させるとは限らない。新たな料金体系では、回線の利用開始までの期間は基本料のみの課金とすることが可能で、コストを抑えて利用できる。

 セキュリティ対策については、機密性の高いデータのやり取りを行う場合には、セキュアな閉域網であるVPN「Arcstar Universal Oneモバイル」を利用することもできるが、今回の機能拡充により、機器ごとにアクセスできる範囲を制限したり、機器間の通信の許可・拒否を設定したりといった、詳細なセキュリティポリシーを導入することが可能となる。

 これらの機能は、VPNによるセキュアな接続を行う「Arcstar Universal Oneモバイル」と、インターネットによる接続を行う「OCN モバイル ONE for Business」で利用できる。

 モバイルネットワークサービスと他サービスとの連携としては、NTT Comが提供する「Enterprise Cloud」や、Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)などのクラウドサービスに接続できるため、顧客のニーズに応じたサービスを組み合わせた柔軟なIoT環境を構築できると説明。あるいは、手軽なIoT導入を実現するNTT ComのIoT Platformサービス「Things Cloud」と組み合わせることで、機器やセンサーのデータ収集から、その閲覧や簡易分析に至るまでの環境をワンストップで構築できるとしている。

モバイルプラットフォームを活用したIoT構築イメージ