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ALBERT、ディープラーニングを用いた図形商標の類似画像検索システム

 株式会社ALBERTは12日、ディープラーニング技術を応用し、任意の画像に類似した図形登録商標(ロゴマークなど)を検索するシステム「Deepsearch Logo」を開発したと発表した。同日より、特許庁の登録商標を検索対象とした無料体験版(7日間利用可能)の提供を開始している。なお、有料版は4月下旬より提供開始する予定。

 Deepsearch Logoでは、検索対象の画像からディープラーニングを利用して生成した数千次元の特徴量と、既存の図形商標の特徴量を高速にマッチングさせる類似度計算アルゴリズムを利用して、類似スコアが高い画像をすばやく抽出し、表示することができる。

 具体的には、WebブラウザからPNG/JPG形式の画像をそのまま検索ボックスにドロップしてアップロードすると、類似した図形商標100件(契約によって件数の調整が可能)の結果を表示する仕組み。検索ワードを考える必要がないため、知識がなくても類似図形商標を検索可能なほか、単語や熟語による検索で起こる検索もれを防止できるという。

 また、検索結果ゼロということはなく、類似度に基づいて類似度順に必ず検索結果が表示ほか、画像の特徴量により類似度を測るため、検索ワードでは表現が難しい制作途中の画像でも検索できるとした。

 検索された図形商標については、特許庁の登録商標情報(登録番号、出願番号、ウィーン分類など)が示されるので、その情報を利用し、特許情報プラットフォームなどでさらに詳しい情報を取得することも可能だ。

 従来、類似図形商標の検索は、商標の呼称や図形分類コードで検索することが主だったのに対し、Deepsearch Logoは画像からダイレクトに検索できることから、図形商標が持つ意味や前提・背景といった知識が十分でない場合でも、類似画像を検索・発見できる点がメリット。類似図形商標を作成・利用してしまうリスク対策のために行っていた事前の調査業務が、従来と比べ圧倒的に短期間かつ低コスト、高精度で実施可能になるとしている。

 なお、検索の対象となる図形商標は、商標公報に基づいて定期的にアップデートされ、直近のデータを含む2000年1月以降の図形登録商標の中から検索可能。今後は米国、欧州の登録商標まで検索対象を拡大する予定。さらに、図形商標だけではなく、コピー、キャラクターデザイン、広告構図など、クリエイティブ全般にわたって、Deepsearchシリーズの拡大を計画している。

 有料版の予定価格は、類似画像検索15回で1万円(税別)。すでに大手広告代理店などへの導入が決定しているとのことだ。