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コニカミノルタ、複合機でIT管理が可能なプラットフォーム「Workplace Hub」を発表

 コニカミノルタは23日(ドイツ時間)、ドイツ・ベルリンにて開催したイベント「Spotlight」にて、オフィスのITインフラを統合するプラットフォーム「Workplace Hub」を発表した。Workplace Hubは、同社が新たに注力するIoT事業のベースとなるプラットフォームで、2017年10月より発売する予定だ。

Workplace Hubのエッジデバイス(2018年に発売予定のスタンドアロン型)

 イベント会場には世界中の報道陣が集結。そこに登場したコニカミノルタ 代表執行役社長の山名昌衛氏は、「デジタル化により働き方が変化している。顧客のニーズも常に進化しており、こうしたニーズに応えるためにWorkplace Hubを開発した。このプラットフォームは、職場の未来を定義するものだ」と述べた。

コニカミノルタ 代表執行役社長 山名昌衛氏

 Workplace Hubは、リアルタイム処理が可能なエッジデバイスと、各種ソリューションを組み合わせて提供する。デバイスとしては、まず同社の複合機に組み込んだ形で提供するほか、サーバーラック型でも提供する。スタンドアロン型も準備中で、こちらは2018年春に発売される予定だ。

Workplace Hubのエッジデバイス群(左からサーバーラック型、スタンドアロン型、複合機組込型)

 ソリューションとしては、インフラ管理やグループワークを効率化できるようなものを中心に用意する。具体的には、リアルタイムデータを分析し、ITインフラの使用パターンを可視化することで、管理コストの簡素化やビジネスプロセスの効率化に結びつけるという。

 コニカミノルタでは、Workplace Hubにて一般オフィス向けのソリューションを提供するだけでなく、生産現場や教育機関など、さまざまな業界における業務のデジタル化をサポートするという。中でも同社が中核事業のひとつとして抱えるヘルスケア業界向けソリューションとの連携はすでに進めており、今秋の発売開始時期に同分野のソリューションが登場する可能性もある。

 Workplace Hubを提供するにあたり、同社はMicrosoftやHewlett-Packard Enterprise(HPE)、Sophosとのパートナーシップも締結。サーバーはHPEが製造を担当しているほか、MicrosoftのOffice関連ソリューションおよびSophosのセキュリティソリューションとの連携を進める。また、CanonicalおよびBraintribeとも協業し、オープンソースを活用したデータ管理機能サービスを提供する。

 さらには、Workplace Hubのユーザーに向けたオンラインストア「Konica Minolta Marketplace」も開設し、同ストア上でサードパーティーがさまざまなソリューションを提供できるようにする。

 Workplace Hubは、20人程度の小規模オフィスから200人程度の中堅企業や大企業の部署などに最適だという。こうした規模の組織では、IT管理が最適化されていなくても複合機はすでに導入しているケースが多い。複合機の一機能としてIT管理ソリューションが提供されれば、導入の障壁が低いことはもちろん、複合機のメンテナンス時に気軽にIT管理の相談ができるようになる。

 山名氏は、「さまざまな業務がこのインテリジェントシステムで定義されるようになる。Workplace Hubにより、顧客の創造力が開放され、職場のイノベーションにつながる」としている。

Workplace Hubを披露する山名氏

 Workplace Hub発表の場には、欧州のKonica Minoltaでビジネスイノベーション 兼 R&D担当 シニアディレクターを務めるDennis Curry氏も登場。Workplace Hubの開発責任者でもあるCurry氏は、「今後Workplace Hubは、IoTや人工知能、エッジコンピューティング、ディープラーニングなどの技術によって人とデータを結びつけるようになり、企業の意志決定をサポートする未来のプラットフォームになるだろう」と述べた。

Dennis Curry氏