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国際産業技術、Synologyとの業務提携を発表 ミッドレンジのストレージ市場に切り込む
2017年3月21日 06:00
国際産業技術株式会社(以下、KSG)は15日、台湾のストレージベンダーであるSynologyとエンタープライズパートナシップに合意したことを発表。都内においてパートナーおよびプレス向けにカンファレンスを開催した。
KSG 代表取締役社長 立花和昭氏は「3年ほど前から個人的にもSynologyのストレージを使っており、その機能に感動を覚えた。この感動をほかの人にもぜひ知ってほしいと思い、自分たちが代理店になるべきだと考えた。日本のエンタープライズの商習慣には特有な部分も多いが、Synologyが日本市場にもマッチするような良い物にしていきたい」と述べた。
ハードウェアおよびソフトウェアの販売・ソリューション提供などの事業を展開するKSGは、これまでもSynologyのストレージを取り扱っていたが、あくまでも二次代理店の位置づけだった。今回、日本国内におけるミッドレンジのエンタープライズストレージ市場への積極的な参入を目的に、あらためて一次代理店となったという。
Synology CEOのVic Hsu氏は、「Synology製品は世界90カ国で販売され、販売台数は480万台におよぶ。ユーザーの声とトレンドを取り入れた製品で多くのファンを獲得しており、研究開発には多額の投資をしている。700人強の社員のうち63%はエンジニアで、ハイエンドな製品にしかない機能を当社の製品でも容易に実現できることを使命だと考えている」と述べる。
さらに2016年に米国TechTargetが行った調査の結果、ミッドレンジNASのランキングで1位を獲得したことを明らかにし、自社製品の技術力の高さをアピールした。
カンファレンスのゲストとして登壇したジャストプレイヤー 代表取締役 CEO/CTOの瀧康史氏は、「ストレ―ジ市場はアッパーコンシューマとハイエンドに二極化しており、事実上ミッドレンジの製品が存在していなかった。そのため仮想化基盤の構築に費用がかかってしまい、クラウドへの流れを加速させてきた。しかし、エンタープライズSSDの台頭によって、待ち望まれたミッドレンジの製品が登場したことで面白くなってきた。ミッドレンジの台頭によって、新しい市場が開拓されることを期待したい」と述べた。
ジャストプレイヤー自身もクラウドストレージサービスであるTeraCLOUDを提供している立場ということを考えると、非常に興味深いコメントと言える。
これまでSynologyは日本市場において、パワーユーザー向けにハイエンドなコンシューマ向け製品を主な製品として展開してきたが、KSGではエンタープライズ向けの製品である「Plus」シリーズ、「xs/xs+」シリーズ、「FS」シリーズをメインに販売を拡大していく方針を明らかにしている。
KSG 執行役員の岩尾昌則氏は、「エンタープライズストレージとして最も重要なことは壊れないことだが、Synology製品には5年の保証が付いている。これは品質への自信と故障率の低さを示している」と述べた。
さらに同氏は、次世代ファイルシステムBtrfs対応、HA構成の容易さ、セキュリティ性能、高性能な専用OSといった特徴を挙げ、「SynologyのエンタープライズNASは、日本のストレージ市場に新たなポジションを開拓する」と、日本市場に向けて積極的に売り込んでいく意気込みを示した。
なお、KSGはオリジナルキャンペーンとして、機器を現地で設置・接続するだけでHA構成のストレージが利用可能になる「Synology PLUSシリーズHAパック」を展開する予定であることを明らかにした。