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2016年の国内外付型エンタープライズストレージシステム市場、前年比8.9%減の1830億5000万円

オールフラッシュアレイは前年比84.3%増、フラッシュストレージへの移行が進む

 IDC Japan株式会社は16日、2016年第4四半期(10月~12月)と2016年通年(1月~12月)の国内外付型エンタープライズストレージシステムの支出額実績を発表した。

 2016年第4四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額は前年同期比16.1%減の425億500万円、2016年通年では前年比8.9%減の1830億5000万円となった。市場規模の算出には、ベンダー売上額(Vendor Revenue)にマージンを加算した支出額(Value)を使用している。

国内外付型エンタープライズストレージシステム市場 支出額推移、2010年~2016年(出典:IDC Japan)

 2016年第4四半期のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが47億9000万円(前年同期比51.3%減)、オープンシステム向けが377億1500万円(同7.7%減)。メインフレーム向けは前年同期の金融向け大型案件の反動が出ており、オープンシステム向けはハイエンドとミッドレンジの落ち込みが影響したという。

 2016年通年のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが243億4500万円(前年比27.5%減)、オープンシステム向けが1587億500万円(同5.2%減)。2015年はメインフレームの大型更新期にあたったことから、メインフレーム向け支出額は前年比27.2%の高成長となったが、2016年はその反動が出たと説明。また、オープンシステム向けも、通年ではハイエンド、ミッドレンジ、ローエンドの3つのクラスともマイナス成長になったことが影響したとしている。

 2016年の傾向としては、HDDからフラッシュへと搭載メディアの移行が進んだと説明。2016年の支出額の中で、オールフラッシュアレイ(AFA)は168億5900円で前年比84.3%増、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は582億3500万円で同7.7%増となったが、オールHDDアレイは1079億5600万円で同21.6%減となっている。

 この結果、2016年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるフラッシュストレージ(AFAとHFAの合計)比率は41.0%(前年は31.4%)に上昇。AFAは大手ベンダーのビジネスが本格的に立ち上がったことに加え、重複排除/圧縮機能やストレージサービス機能の追加などで、特定用向けの特殊なストレージから汎用ストレージへの移行が進んでいると分析している。

 2016年通年での国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は1739億9800万円で、ベンダー別売上額の上位5社は日立製作所(シェア19.7%)、富士通(17.5%)、デルとEMCが統合したデルテクノロジーズ(15.9%)、IBM(9.9%)、NEC(7.5%)となった。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「2016年の外付型エンタープライズストレージシステムは前年の反動もあり市場が縮小する中で、テクノロジーのシフトが進んだ。HDDからフラッシュストレージへのシフトはその代表である。ストレージベンダーは、ストレージ市場におけるテクノロジーの変化をビジネス機会に生かす能力によって、そのシェアが大きく変わってくる」と分析している。