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オールフラッシュアレイは大幅成長、プライマリストレージ市場で存在感強まる

2017年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額調査

 IDC Japan株式会社は24日、2017年第1四半期(1月~3月)における、国内外付型エンタープライズストレージシステムの支出額(Value)実績を発表した。それによると支出額は493億4800万円で、前年同期比では6.8%減になったという。

 セグメント別内訳では、メインフレーム向けが前年同期比10.6%減の71億400万円、オープンシステム向けが同6.2%減の422億4400万円で、いずれもマイナス成長となっている。メインフレーム向けは、2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している一方、オープンシステム向けについては、ミッドレンジとローエンドの落ち込みが影響したとのこと。

 また、2017年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、搭載メディアのHDDからフラッシュメモリへの移行が進み、オールフラッシュアレイは前年同期比86.0%増の66億5500万円と、大幅な成長を見せた。ハイブリッドフラッシュアレイは、同12.2%減の148億4900万円と減少しているが、オールHDDアレイの同14.2%減(278億4400万円)と比べて、減少幅は小さくなっている。

 なお、こうした市場動向に伴って、支出額に占めるオールフラッシュアレイの比率は、前年同期の6.8%から13.5%へと上昇した。

 IDC Japanでは、オールフラッシュアレイについても複数の製品ラインを持つベンダーが増加し、重複排除/圧縮機能や従来型ストレージシステムと同等のデータサービス機能(レプリケーション、スナップショット、ストレージ仮想化など)を持った製品が増えたことで、プライマリーストレージ市場における需要獲得が進んでいると分析している。

 一方、ベンダー別に見ると、2017年第1四半期における国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は468億8900万円。売上額の上位5社は、富士通(シェア25.1%)、日立製作所(17.9%)、Dell EMC(10.8%)、ネットアップ(8.4%)、NEC(8.2%)となっている。

 IDC Japan のエンタープライズインフラストラクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「オールフラッシュアレイにおいて、従来型ストレージシステムと同等のデータサービス機能を持った製品がミッドレンジ/ハイエンド製品で増加したことで、プライマリーストレージ市場におけるオールフラッシュアレイへのシフトが加速している」とコメントしている。

国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2015年第1四半期~2017年第1四半期(出典:IDC Japan)